【黄綬褒章】宮大工・後藤重成さん(69) 喜びの声 群馬・渋川市 

今年の春の褒章で黄綬褒章を受章した渋川市の宮大工・後藤重成さん(69)に受章の喜びを伺いました。

「素晴らしい章をいただけて、身に余る思いで光栄です。これも家族や親族・先輩方のお陰で今ままでやってこれたと思います。」(後藤さん)

渋川市の宮大工・後藤重成さん。

55年間の長きにわたって木造建築に携わり独自の技法を生み出すなど高い技術が評価され今回、黄綬褒章を受章しました。

1954年、渋川市上白井に生まれた後藤さんは、中学校卒業後、地元の建設会社に入社し大工としての道を歩み始めます。20歳の時に独立し、神社仏閣の設計から彫刻、そして、地域に伝わる山車の修復なども手掛けてきました。

釘や金属を使わず木材を接合する独自の技法を考案し、2016年には「実用新案」として特許庁に登録を認められました。その2016年には、卓越した技能が認められ「現代の名工」にも選ばれました。

「やっぱり木が好きですから、木に携わることならば何でもこなす。勉強したり、物を作ったり、先輩より早く覚えたいと夜寝ずに勉強しました。」(後藤さん)

これまでに培った技術を活かし最近では、能登半島地震で被害を受けた寺などから依頼を受け仏像の修復を行っています。また、渋川地区の高等職業訓練校で講師を務めるほか、中学生の職場体験を受け入れるなど後進の育成にも力を入れています。

「私の場合は、いっぱい遠回りしてきましたので、これからの若者には自分の進む道を真っすぐに時間をかけないで進んでいける道を歩ましてあげようと思いまして・・・身体の続く限り後継者の育成に貢献していければと思います。」(後藤さん)

「宮大工を魅力ある職業にしたい」後藤さんの挑戦はまだまだ続きます。

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