『今日好き。ニャチャン編』最終話ーー村重杏奈の妹「正直に話します」 告白の結果は?

4月1日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。ニャチャン編』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。

以下より、4月29日公開の最終話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

・るい×エリカ、恋の“相談役”が最後に渡した言葉 「大丈夫、泣くことじゃないよ」

運命の告白を翌日に控えながら、心変わりが連続する様を“ニャチャンの謎”と呼びたくなったほど。もはや、ミステリーや探偵ものなのではないかと思えるくらい、普段以上に結果が予想できず、メンバーの恋の行先が気になって仕方がなかった今シーズンの『今日好き』である。

いよいよ最終話。通常であれば、この記事では告白シーンをメインに触れるわけだが、今回はカップル成立までの過程こそ特筆すべき箇所と思えたため、“最後のアピールタイム”の模様を中心に振り返っていきたい。

「るいくんを告白に誘うことは、エリカからはできないかなって」。最終話で開口一番、耳に飛び込んできた言葉があまりにも衝撃的すぎた。一時は、心の拠りどころを失った者同士で恋が生まれるものかと思いきや、エリカ(村重エリカ)は最終的に、るい(村澤瑠依)に恋心を抱けず。最後のアピールタイムをもって、ふたりの関係性は“友だち”のままであることが決まってしまった。

るいはここまで、彼女の「相談役」に徹してきたわけだが、「大丈夫、泣くことじゃないよ」「さっきまで悩んでたけど、いま一歩、決めたわけでしょ」と、いよいよ相談役から“応援ポジ”に。本当に人間ができているし、底なしの優しさ人間だと感じさせられる。『今日好き』の旅を通して、もうどれだけ大人になってしまうんだ。

一方、エリカはてる(川端輝)からも好意を寄せられ、彼女に対する気持ちが大きいことを明かされる。ここまで4話を見守ってきた身からすると、彼に想いを寄せるゆう(早坂ゆう)と過ごした時間の長さを鑑み、彼女の泣き顔がすぐさまに頭をよぎってしまったわけだが、視聴者である我々に成す術はない。

しかもこの後、てるが特技の書道を活かして、万年筆でしたためてきた達筆のメッセージで、エリカの一生懸命でまっすぐな性格を肯定するメッセージをプレゼントする。エリカがどんな決断をするにせよ、ゆうの恋は、この時点で終わってしまった。ここまで、ゆう自身の口からも出てきたとおり、前回参加の『卒業編2024 in プーケット』から頼もしい成長を見せてくれていただけに、結果が伴わないのが本当につらい。

・たいよう&いっさ、意中の女子からのイラストを通したアピール

たいよう(忠村太陽)×みなつの2ショットだが、たいようの登場シーンで、みなつが“本当に好きな人”にだけ見せる笑顔が溢れ出た瞬間、このペアだけは絶対に成立してほしいと願ってしまった。あの笑顔がすべてを表していたので(ぜひABEMAの見逃し配信で確認してほしい)、もはや言葉は要らず、相思相愛な想いを確認するだけの時間にしてほしいと感じたが、気づけばあのシャイなたいようが、いつの間にか“追われる側”になっていたわけである。ここでは、みなつが用意してきた2ショット写真をデコる時間を通して、ふたりの関係性の変化にしみじみと浸るひとときとなった。

最後は、いっさ(松本一彩)×ラナ(谷田ラナ)。数々の“筋肉アピール”を通して、ラナに想いを伝えてきた、いっさ。対するラナは、いっさとけんたろう(中村健太朗)の間で揺れ動き、直前にもけんたろうとのアピールタイムを過ごしてきたわけだが、この時間が終わる頃には、ほかペアのどこよりもカップル成立を確信する結果に。その理由は、ラナがこの旅でいっさと一緒に行った場所と、その時々での想いをまとめた、日記帳のようなイラストを用意してきたから。タイトルは「LANA & ISSA」。こんなのもう、好きじゃないと描いてこないじゃん。

1日目、2日目……と、日記に描かれたかわいらしいイラストに目を奪われることしばし。最後のページをめくると、「大好きです。告白待っててください」と、この2泊3日でほとんど初めて、ラナの方から明確な言葉が示された。言わずもがな、いっさの方はラナひと筋。確定演出。これはもう、カップル成立を信じるにほかならない。

ということで、最後のアピールタイムを終えた時点で、いっさ×ラナのカップル成立は確実として、残すところたいよう×みなつ、てる×エリカが結ばれるのかが気になるポイントに。本稿の冒頭にも同様の旨を記したが、本当に結果が予想できなかった今回。最後のアピールタイムを終えてもなお、たいようがみなつをフる可能性がまだあること。そして、エリカがてるに告白をするのかが読めないこと。これらの可能性を最後まで捨てきれないあたり、『ニャチャン編』は“ミステリーものかなにかなのか?”と再度、頭を抱えさせられる。

・『ニャチャン編』成立カップルの全貌 てる×エリカは結ばれたのか?

気になる結末を明かそう。『ニャチャン編』成立カップルは、2組!いっさ×ラナと、もう1組は、たいよう×みなつである。特に後者のカップルは、たいようの方からハグをしたり、「やりたいことないの?」というみなつからの問いかけに、すっと手を差し出したりと、たいようらしくもらしくないシーンの連続に、みなつの方がカップル成立を信じられなさ様子を見せていた(成立後もよい意味で無言の時間が流れ、ふたりともしばし固まっている姿が印象的だったとも付け加えておこう)。

ただ、これで終わらないのが、たいようという男子。なんと、カップル成立後に見せるマジックを仕込んできたと、ワクワク顔でトランプを取り出す(言わずもがな、告白後にトランプを手に取ったメンバーは『今日好き』史上初)。披露したのは、トランプの裏面が一瞬で青から赤色に変わるというマジック。さらに、カードを1枚めくると、そこには「好きです」の4文字が。自身の想いを口ではなく、カードに託すこと。みなつの楽しそうな様子に、たいようが“やってよかった”と、もっと大きな笑顔を見せること。新規メンバーながら、たいようの人柄に満ち溢れた『今日好き』の旅となった。

さて、カップル成立には至らなかった、てる×エリカ。エリカから「私も、正直に話します」と前置きがあった後、「てるくんの気持ちはすごくうれしかったし、いっぱい悩んで、それでもやっぱり、この短い期間で好きっていう気持ちにはなれませんでした」と一言。それに対して、てるも「エリカちゃんと、ふたりで一緒にいれて楽しかったです。バイバイ」と、お互いに簡潔な言葉で別れを告げる。交わした言葉の短さが、ふたりの深い間柄を示していたのか、あるいは終わってみれば“なにもなかった”ことの裏返しだったのか。いまとなっては知る由もないが、想像以上にあっさりとした恋の幕引きとなった。

るい、ゆう、てる……継続メンバー全員が運命の恋人を見つけられなかった『ニャチャン編』。序盤こそ穏やかながら、終盤はいつも以上に複雑な展開だっただけに、次シーズンはもっとたくさん、メンバーの笑顔に満ちた『今日好き』を勝手ながらも期待したい。

(文=一条皓太)

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