「いざいざ奈良」2024年の新キャンペーンは、大和四寺めぐり。オリジナルのアクスタや御朱印帳も!

創建1200年を超える4つのお寺をめぐる旅へ、いざいざ!

JR東海が展開する観光キャンペーンである、「いざいざ奈良」。この春、シリーズ第5弾となる、新キャンペーンがスタート!
今回は奈良県中南和エリアにフォーカスし、大和四寺(やまとよじ)を中心にさらなる奈良の魅力を探していきます。
そんな新キャンペーンの見どころを、鉄道写真家・村上悠太が写真満載でお届けします。

中南和エリアに位置する「大和四寺」とは?

僕も数年前まで奈良県に撮影に行っても、職業柄、その行き先は線路端ばかりで実は全然奈良のことを知らなかった上、どうしても「ちゃんとした歴史の知識がないと楽しめなさそう…」とどこか距離をとりがちでした。
しかし、一度奈良を巡ってみたところ、「あ、ここ好きかも」と、肩肘張らずにナチュラルに楽しめる、居心地の良さのようなものを今では感じています。今回の新キャンペーンでは奈良県中南和「大和四寺」を中心に、さらなる奈良の魅力を探求。「大和四寺」は、長谷寺・室生寺・岡寺・安倍文殊院で構成され、古くから人々の厚い信仰を集めています。

圧巻! 399段の登廊と季節の花々「長谷寺」

近鉄大阪線長谷寺駅からやや坂道を歩いて約15分のところにある、奈良時代創建の長谷寺。平安時代以降は、貴族などが泊まりがけで長谷寺を参る、「初瀬詣(はせもうで)」が流行し、源氏物語や枕草子など、多くの古典文学にも登場します。
「花の御寺」と呼ばれる長谷寺では、敷地内に季節の花が咲きますが、中でも有名なのが例年4月下旬から5月下旬位かけて咲く、牡丹。
そして圧巻なのが仁王門から本堂まで続く、399段の登廊(のぼりろう)! 季節になれば牡丹もこの登廊の周りに咲き乱れます。


「隠国の初瀬(こもりくのはつせ)」と古くから歌枕としても詠まれていた長谷寺。昔話「わらしべ長者」の舞台にもなっている


本堂まで続く399段の登廊。下方は一段の高さが低いが上に行くにつれ高さが変化する

木の手すりは登廊を行き交った人々の手の形に合わせてすり減っている

ご本尊である十一面観世音菩薩立像は1018cmと木造の仏像としては日本最大級。春と秋には特別拝観があり、そのお御足に直接触れることも可能。今春は7月7日まで実施されています。


重要文化財の十一面観世音菩薩立像

お御足に触れられる体験は貴重


この舞台から山を超えた先にある伊勢神宮をお参りしたとされている。周囲は山々に囲まれ長い谷が続くことから、長谷という名も生まれた

“女人高野”とも呼ばれる空海ゆかりの「室生寺」

奈良時代末期に創建され、弘法大師空海ゆかりのお寺として知られる「室生寺」。当時高野山が女人禁制だったのに対し、室生寺は女性の参拝も許可していたことから「女人高野」としても親しまれています。
周囲を山々に囲まれ、清らかな水に恵まれていたその環境から、古来より“水の神のおわすところ“ともされ、祈雨の聖地として崇められてきました。


室生寺の仁王門


本堂内には如意輪観音菩薩が安置されている

本堂の扉には蝉が佇む。蝉が逃げぬほどに静寂に、との意味も

室生寺境内に建つ国宝の五重塔は屋外に建つものとしては国内最小サイズで、「空海が一夜にして建てた」という伝承も残っています。境内には多くの仏像が安置され、平安時代の仏教芸術の宝庫としても有名です。


奥之院への参道中にある国宝・五重塔

この室生寺からさらに室生川を1kmほど登ったところにある、室生龍穴神社の山中には、龍神が住むと伝えられている「穴」があります。アクセスは近鉄大阪線室生口大野駅からバスで10分ほどです(「穴」は本殿から30分ほど歩いた奥院にある)。
室生寺とあわせてぜひ。


巨大な木々に囲まれた室生龍穴神社も合わせて訪れたい

日本最古の厄除け観音と花手水の「岡寺」

続いては近鉄橿原神宮前駅からバスで向かうことができる、岡寺。近鉄には岡寺駅もありますが、この駅にはバス・タクシーがなく、徒歩では1時間弱かかるため要注意です。
開祖である義淵が、里の人々を困らせている悪龍を法力によって池に封じ込め、「蓋」をしたという伝説から、正式には「龍蓋寺(りゅうがいじ)」という名をもつ寺です。


花手水が人気の岡寺


重文「仁王門」の四隅には阿吽の獅子・龍・虎があり珍しい形態

扉には寛永時代の“落書き”が残る

ご本尊の「如意輪観音座像」は、銅像の東大寺「毘盧遮那仏」、木像の長谷寺「十一面観世音菩薩」と並び、塑像(土の像)として日本三大大仏として数えられ、高さ4.85mという大きさは塑像では日本最大の仏像です。


1805年上棟の本堂は境内で一際存在感を放つ

ご本尊の如意輪観音座像は「やくよけの観音様」として信仰を集める

また、例年4月下旬から5月上旬にかけて、手水舎に色とりどりのダリアなどを浮かべる花手水も大人気。すぐ横の池にも一面花が浮かべられ、その姿はまさに可憐そのものです。


境内を彩る花手水

快慶作の国宝 日本最大の文殊像で知られる「安倍文殊院」

「三人寄れば文殊の知恵」で知られる騎獅文殊菩薩像がご本尊の安倍文殊院は、境内にお墓がない、全国でもちょっと珍しい祈祷寺。
高さ7mにも及ぶ日本最大の文殊像は、そのスケール感もさることながら、獅子に乗った文殊菩薩に4人の童子が従って旅に出る姿が再現されており、今にも動き出しそうなその臨場感はぜひ現地で体感いただきたい迫力! この「渡海文殊群像」は国宝にも指定されています。


関西で一番人気を誇る合格祈願の寺としても人気の安倍文殊院


他に類をみない動感が魅力の渡海文殊群像

池に浮かぶに佇む金閣浮御堂(きんかくうきみどう)

また、安倍一族発祥地でもあり、安倍晴明信仰の聖地としても知られ、文殊池に浮かぶ金閣浮御堂には安倍晴明像が安置されています。七難(災難)に遭わないように、このお堂の回廊を7周周って祈願する、「七まいり」も行われています。
アクセスはJR・近鉄の桜井駅から徒歩約20分です。


敷地内には古墳もある

「大和四寺」とあわせて、寄りたい・食べたい! 注目スポット

さて、大和四寺を周るならあわせて楽しみたい、美味しいものや観光スポットもご紹介していきましょう!

長谷寺を訪れたら「草福餅」を

長谷寺の門前町では白酒屋の名物「草福餅」をぜひ忘れずに。賞味期限が短く、地方発送はしていないため、ここに来ないといただけない一品。
香り高いよもぎを使用し、そのままこし餡を包んだ「青」と粒あんを包み、焼き目をつけた「お焼き」でいただきます。


長谷寺そばの「白酒屋」

木臼でつくことでより上質な餅になるという。繁忙期は一日中つくことも


店先で焼く「お焼き」の香ばしさに惹かれる

室生寺門前では橋本屋の「とろろ料理」がおすすめ

室生寺の門前にお店を構えるのは明治4年創業の老舗旅館、「橋本屋」。こちらではヘルシーな山菜料理が楽しめます。
名物は大和芋を使った粘り強いとろろ料理! 四寺巡礼の昼食にも最適です。


老舗料理旅館の「橋本屋」

工夫を凝らした山菜料理が味わえる

観光の拠点に便利な大和八木駅近くでは「だんご庄」へ

ところで、「大和四寺」の各お寺はそれぞれ見どころ満載なほか、少々距離が離れているところもあるので、1泊2日程度の旅程がよいでしょう。
観光の拠点には大阪方面、京都方面からのアクセスも良好な大和八木駅周辺がおすすめ。関東から訪れる場合は、東海道新幹線で京都へ向かい、そこから近鉄京都線に乗り換えていくのが便利です。
その大和八木駅のそばにあるのが明治11年創業の「だんご庄 八木店」。140年間変わらない手作りの味を守り、特製の蜜を使用したふんわりとした優しい味わいが魅力の一本です。


140年以上続く「だんご庄」

毎日手づくりされる大和名物の、だんご庄のおだんご


1本90円という、手軽な値段もうれしい

江戸風情の残る今井町で日本酒「出世男」を味わい、街をそぞろ歩き

大和八木駅の南西に位置する「今井町」は、江戸時代の街並みが今なお残るエリアで、町内の建物の半分以上が伝統的建造物。白川郷などと同様に「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。
そんな町中に、現在も唯一残るのが「河合酒造」。県内唯一の女性杜氏が醸す日本酒「出世男」は、その名前もあって人気の一本。蔵元では有料試飲も可能です。


タイムスリップしたような今井町の佇まい


「出世男」の蔵元・河合酒造

有料試飲でおみやげ選び

このほか、建物をリノベーションしたカフェも点在しているので、散策を楽しんでみるのもおすすめです。


古民家を活用した「うのまち珈琲店 奈良店」

人気の「うのまち クリームソーダ」。店内には多数の本が集まる


歴史を感じる路地を入ると別世界!「cafeたまゆら」

cafeたまゆらの「飲むチーズケーキ」は見た目はもちろんお味も絶品!

このキャンペーンだけのアクスタや御朱印帳は「EX旅先予約」で予約・購入を

そして、今回のキャンペーンに合わせてJR東海の新幹線ネット予約サービスの「エクスプレス予約」・「スマートEX」会員向けに、特別なコンテンツが発売中。
EX会員限定で販売されている「EX旅先予約」プランでは、大和四寺の拝観券とまさかの「ご本尊オリジナルアクリルスタンド」がセットになった旅行商品が登場!しかもこちらのアクスタ、四寺院のご本尊をつなげて飾れてしまう、ありがたすぎるデザインになっています。


ご本尊アクスタや限定デザインご朱印帳はJR東海の「EX旅先予約」より!

また、「いざいざ奈良」のCM等に出演中の鈴木亮平さんが描き下ろした、「鹿」を刺繍であしらった「いざいざ奈良」オリジナル御朱印帳もEX旅先予約にて特別販売。ほかにも解説付きの拝観プランなど、たくさんのコンテンツがラインナップされているので、「いざいざ奈良」公式Webサイトもチェックしてみてください。

日に日に暖かくなり、観光に最適なこれからのシーズン。みなさんもぜひ、いざ! いざ! 奈良へ!!



著者紹介

村上悠太

1987年鉄道発祥の地新橋生まれ、JRと同い年の鉄道写真家。
交通新聞社刊『鉄道ダイヤ情報』では「ユータアニキ」としてあらゆる現場で鉄道を支える「鉄道HERO」たちの取材を続ける。元々旅好きから写真を始めたので、乗り物に乗って旅をしながら写真を撮るのが大好き。

X:https://twitter.com/yuta_murakami
Instagram:https://www.instagram.com/yuta_murakami/

  • ※取材・撮影・文=村上悠太
  • ※掲載されているデータは2024年4月現在のものです。

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