「ターバンスタイルでさっそう」「かのやばら園盛り上げてくれた」…ブライダルデザイナー・桂由美さん死去、94歳 鹿児島の関係者ら別れ惜しむ

「恋人の聖地」の銘板を除幕した桂由美さん(右から3人目)ら=2006年5月、鹿屋市のかのやばら園

 洗練されたウエディングドレスなどを手がけたブライダルデザインの第一人者、桂由美(かつら・ゆみ、本名結城由美=ゆうき・ゆみ)さんが4月26日、死去した。94歳。東京都出身。葬儀は行わず、追悼ショー(しのぶ会)を後日開く予定。

 30日に訃報が伝えられた桂由美さんは、鹿児島を何度も訪れていた。日本を代表するブライダルデザイナーとしてショーを開く一方、地域活性化にも尽力した。当時を知る関係者は人柄をしのび別れを惜しんだ。

 鹿児島市の丸屋ブライダルは、桂さんのドレスを県内で初めて取り扱った。「ドレス目当てに来るお客さまがたくさんいた」と、柳田由美社長(58)は懐かしむ。2006年4月には店舗で桂さんのトークショーがあった。「ターバンを巻いたいつものスタイルで、さっそうと歩く姿に感動した。従業員には『ドレスを大切にしてくれてありがとう』と感謝していた」と振り返る。

 鹿屋市の「かのやばら園」は06年、桂さんが会長を務める全日本ブライダル協会などが認定する「恋人の聖地」に選ばれた。同年5月に自筆の銘板の除幕式に訪れた桂さんを案内した元市職員の原田靖さん(68)は「バラを褒めてくれ、リニューアルしたばかりの園を一緒に盛り上げようとしてくれた」と話す。

 桂さんは園で今年5月11日に開かれるウエディングイベントに立会人として参加する予定だった。「式を挙げるカップルをはじめ、多くの人が楽しみにしていた。18年前のことも語ってほしかった」と残念がった。

桂由美さん自筆の「恋人の聖地」の記念碑を指すNPOローズリングかのやの丸野里美さん。除幕式で会った印象を「カップルを心から応援するデザイナーと感じた」と話す=30日、鹿屋市のかのやばら園
「恋人の聖地」の記念碑があるローズチャペル=30日、鹿屋市のかのやばら園

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