遠く離れた鹿児島にいても古里復興のためにできることを…能登出身のバー店主、被災した輪島のワイナリーから商品を取り寄せ販売

被災した石川県輪島市のワイナリーから取り寄せたワインを提供している森山久美さん=霧島市国分中央3丁目

 能登半島地震の被災地を支援しようと、鹿児島県霧島市で酒類販売業とワインバーを営む森山久美さん(51)が、被害を受けた石川県輪島市のワイナリーから取り寄せた商品を提供している。森山さんは「微力だが、復旧の手助けになれば」と話している。

 森山さんは能登半島の付け根に位置する石川県羽咋市出身。夫の仕事のため霧島市に移った。ワイン好きが高じて2015年に同市国分にワインバー「ドメーヌ・ケイ」をオープン。22年にワイン販売を手がける「ジノンのセレクトワイン」を開業した。

 元日の地震では実家の家族や親戚は無事だったが、バーを開く前に訪ねた輪島市の「ハイディワイナリー」(高作正樹社長)の醸造所や畑が被害を受けているのを報道で知った。「自分にできることはないか」と考え、同社の商品を取り寄せることにした。

 1月下旬に同社に連絡し、ワインの発送を依頼。「相承」「禅の里わいん」「千里」の3種のワインを仕入れた。自作のチラシやSNSで告知をすると、常連客の間で広まり、これまでに100本以上が売れたという。売り上げの一部は輪島市に寄付した。森山さんは「古里のワインを一本でも多くの人に届け、鹿児島と輪島をつなぐ架け橋になれたらうれしい」としている。

被災した石川県輪島市のワイナリーから取り寄せたワイン。左から「相承」「禅の里わいん」「千里」=霧島市国分中央3丁目

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