映画『プラダを着た悪魔』『プリティ・プリンセス』など、多くの有名作で主演を務めたアン・ハサウェイ。
さまざまな恋愛をスクリーンで表現してきたアンが、過去のオーディションで応じざるを得なかった「不快な要求」について語りました。
雑誌『V 』のインタビューに登場したアンは、2000年代初頭に業界で通用していた習慣について明かします。
「私も経験したことですが、相手役の俳優との "相性" をテストするため(オーディション会場で)イチャイチャするよう要求されるのは普通でした。今思うと、最悪の方法です」
「『今日は10人の俳優が来ていて、あなたは役が決まっている。全員とイチャイチャできるのは興奮しない?』とも言われました」
「興奮しない自分がおかしいのかも……と思いましたが、私は気持ち悪いと感じていました」
アンは抵抗を覚えたそうですが、「とても若かった」当時、「気難しい」というレッテルを貼られることが仕事に影響を及ぼすのではと懸念し、「楽しんでいるフリをした」といいます。
1999年撮影
「枕営業ではなかったし、誰も私をひどい目に合わせたり、傷つけようとしたわけではありません。時代が違ったと、今は理解しています」
アンは主演の新作ロマコメ『アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~』で、プロデューサーも務めています。
相手役のニコラス・ガリツィンをキャスティングするのに、「相性テスト」はもちろん実施しませんでした。
「役が好きそうな曲を選んでかけてもらい、私の役を踊らせました。そこから少し即興劇をするの」
ニコラスが選んだのは、アラバマ・シェイクスの曲。リラックスした雰囲気で自然と2人で踊り、配役が決まったそうです。
同作で、アン演じるシングルマザーの主人公は、年下のバンドマンと恋に落ちます。
『アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~』ワールドプレミアでのニコラス・ガリツィンとアン・ハサウェイ
この役柄について、アンは「キャリアの最初に演じられるものではない」と語ります。
「主人公は、人生で苦しい時期にいます。人を信頼することにトラウマを抱き、立ち直るのに苦労しています」
「私たちは『女性の幸せ』について限定的な考えを持っていますよね。特定の道を女性が踏み外したとき、(世間は)厳しく、制裁的に反応します。それを止める必要があると思い、この映画を作りました」