4月30日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=156円台で推移。29日は34年ぶりとなる1ドル=160円台となったが、円が154円台まで買い戻される動きもあった。政府・日銀が5兆数千億円規模の円買いドル売り介入に踏み切った可能性もある。
財務省の神田真人財務官は30日、「介入の有無については申し上げることはない」と沈黙。この日は、いつ介入があるかと警戒感が広がっていた。
ゴールデンウイーク(GW)中に円安の影響を大きく受けるのが海外旅行者だ。岸田文雄首相が外遊に行くのを筆頭に閣僚らはこぞって海外へ行くことになっているが、自腹で行くしかない庶民はそう簡単にはいかない。
JTBによると、今年のGWに海外旅行に行く人は52万人で昨年に比べて約1・7倍になっているという。しかし、これはコロナ禍の影響もある数字。コロナ禍前の数字と比べると海外旅行に行く人は少なくなっている。円安になりすぎて海外に行こうという気が削がれているのだ。
4月中にカンボジアに行った男性は「為替は気にしていました。カンボジアは米ドルが現地で使えるのですが、昨年の今ごろと比べても円安が進んでいます。円安になればなるほどマイナスになるわけですから」と振り返った。
今回、行われたという覆面介入は5兆数千億円規模と推測されている。コロナ禍前より減ったとはいえ普段よりは海外に行く人が多くなるGWに介入とは驚きだ。
この男性は「海外旅行前に介入があって円高になったとしたら得に感じる人もいるでしょう。ただ、これだけ為替が動くと旅行者は気が気じゃない。円高、円安になるたびに日本円だといくらになるのか頭を巡らせることになります。これは楽しくないですよ。政府には普段から円安対策を求めたいですね」と話している。