今年も「カメムシ」大量発生の可能性 過去最高数の「カメムシ」が越冬…暖冬で凍死せず、春まで生き残るカメムシが急増 暖冬続く限り増加傾向か

今年も"アイツ"がやって来ます。
農作物に被害を及ぼし悪臭も放つカメムシ。去年大量発生し、うんざりした人も多いのではないでしょうか?
こうした中、鳥取県の調査で過去最高数の「カメムシ」が越冬したことが判明。今年も大量発生が予想されそうです。

去年秋、鳥取県日南町の民家で撮影された写真。
ちりとりの中に入っている、一見枯れ葉のようなもの…実は、これら全て「カメムシ」です。

また、家の中でも…

「いっぱいおるわ、くっさ、めっちゃくさいな」

そしてこちらは、窓にびっしり。その数50匹以上です。

「おるおる、気持ちわる」

悪臭を放つこともあり厄介者として扱われるカメムシ。去年はなぜ大量発生したのでしょうか?

鳥取県園芸試験場 戸板重則 主任研究員
「近年、暖冬や地球の温暖化が言われておりますが、カメムシが越冬する際に、冬の気温があまり低くないために、冬の間に凍死しないということがあり、春まで生き残ってしまうということが続いていると思います。これがだんだんと増えてきている原因だと思います」

暖冬の影響。
通常カメムシは、冬の寒さで死んでしまうのですが、暖冬傾向のため冬を越す個体が多くなっていると言います。

そして、さらにその個体が春に卵を産み、増えていくのです。

では、気になる今年は?

鳥取県園芸試験場 戸板重則 主任研究員
「平年よりも多いということと、発生時期も4月の上旬の調査でしたので早いということになります」

残念ながら、この冬は暖冬だったため、今年も大量発生が予想されるとのこと。

去年12月に鳥取県が行った調査では、県内10地点で確認されたクサギカメムシの越冬した成虫の平均観測数が平年の3倍以上、過去最高の26.3匹となりました。

そして4月1日から始めた、フェロモンでカメムシをおびき寄せるトラップ調査では、4月16日時点で、平年の0.2匹を大きく上回る3匹のチャバネアオカメムシが捕獲されました。

これらの結果を受け、県では4月17日、病害虫発生予察注意報を発令。今の時期は特にナシ農家へ注意を呼び掛けています。

鳥取県園芸試験場 戸板重則 主任研究員
「追加防除という形で特別に防除を行っていただくということで、防いでいただくようにお願いしていますことと、摘果はなるべく早くやっていただいて、なるべく早く小袋かけをしていただくように、手早く作業していただくということが対策になると思います」

大量の"アイツ"に悩まされる日々が再びやって来る…。
県では、暖冬が続く限りカメムシの増加傾向は今後も止まらないとみています。

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