人・夢・技術グループら/比ミンダナオ大学と覚書交換、卒業生に日本で活躍の場を

【ダバオ〈フィリピン・ミンダナオ島〉=牧野洋久】人・夢・技術グループと長大は4月29日、フィリピンの人材の活用拡大に向けて、同国ミンダナオ島のダバオ市にあるミンダナオ大学らと覚書を交換した。ミンダナオ大の卒業生に日本語教育と技術教育を行い、一定の成果を修めた人が人・夢・技術グループ内で就職できる枠組みを構築。同地域では技術を学んだ若者の就職先が十分にない状況がある。そうした課題解決と日本の労働力不足への対応の両面からメリットを生み出す。
覚書はフィリピンで人材紹介・派遣事業を展開するフィルノス・コーポレーション(フィルノス社、マベルスマ・G・マサンカイ社長)、同国や日本で日本語教育の支援を行うマニラ国際アカデミー(アリステオ・C・ビルラヌーバ社長)を含む5者で交わした。
対象となるのは、希望や条件が合致する22~32歳のミンダナオ大卒業生。マニラ国際アカデミーで日本語を学んだ後、日本に留学して日本語学校で教育を受ける。留学期間中に、人・夢・技術グループの傘下企業でアルバイトをして基礎的な素養を習得する。
一定の成果を収めた人は、人・夢・技術グループの傘下企業で外国人社員として勤務できる。フィルノス社は日本での就労に必要な手続きを支援する。
同市で開かれた調印式で、人・夢・技術グループの永冶泰司社長は、日本で高齢化が進み、労働力不足が懸念される状況に触れた上で、「ミンダナオ大の優秀な学生と手を組むことで明るい希望が持てる」と述べた。
長大の野本昌弘社長は「一人でも多くの卒業生が日本語を学び、技術を磨くことを大いに期待している」、ミンダナオ大のグレルモ・P・トリースJr理事長は「日本で働き、高い技術を学べる機会を学生に与えられることが大きな喜びだ」と呼び掛けた。
調印式には在ダバオ日本国総領事館の石川義久総領事も同席し、「日本とフィリピンのお互いにとってウインウインになる」との期待感を示した。
ミンダナオ大は地元の名門私立大学で、同国内で最大規模の大学として知られる。技術を学んだ若者に日本での活躍の機会を与えたいと考え、覚書の交換に至った。

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