中部整備局/災害に強いまちづくり指針改定、土砂災害追加し必要な施策や事例示す

中部地方整備局は、災害に強いまちづくりガイドラインを改定した。従来の想定災害である地震・津波、洪水氾濫に、新たに土砂災害(計画編・実践編)を追加。計画編では土地利用制限や地域の孤立対策などまちづくりの方向性、大規模盛り土造成地でのまちづくりなど計画検討のポイントを示した。実践編では参考となる全国の取り組み事例を掲載した。中部整備局は改定ガイドラインを自治体に周知し、災害に強いまちづくりを後押しする。
計画編では、災害ハザードエリア内の土地利用の規制・誘導や重要公共施設の再配置など土砂災害に強いまちづくりに必要な基本施策、導入メニューを施策体系例の表として追加。
土砂災害に対応したまちづくりの方向性では、▽土地利用の制限▽防災移転の促進▽地域の孤立への対策▽ハード対策とソフト対策の組み合わせ▽確実な避難行動▽都道府県と市町村の連携▽土砂災害に強いまちづくりに向けた合意形成-をポイントに挙げ、施策の意義を解説するとともに、事例も示した。大規模盛り土造成地でのまちづくりは、造成地マップの活用などをポイントに挙げた。
実践編では、防災・減災の基本的な考え方に沿って、▽安全で確実な避難▽土砂災害に強い都市構造▽災害に強い組織・人づくり-の三つをテーマにソフト・ハードの取り組み事例を掲載。施策の概要やポイントのほか、実施した自治体の人口や世帯数、行政区域面積なども示し、参考としやすいよう工夫している。
中部整備局は、東日本大震災を受け2014年2月に地震・津波災害に強いまちづくりガイドラインを策定。自治体の要望などを反映し22年度に計画編、実践編の2部構成でガイドラインを再整理した。23年度には想定災害に洪水氾濫を追加し、今回はこれに続く改定。想定災害は随時、追加・更新し内容を充実することで管内自治体の防災・減災の取り組みを支援する。

© 日刊建設工業新聞社