夜の山町筋彩る宵山 5月1日の高岡御車山祭控え

ライトアップされた二番町の山車=高岡御車山会館

 国の重要有形・無形民俗文化財の「高岡御車山(みくるまやま)祭」が1日に行われるのを前に、宵祭(よいまつり)が30日、富山県高岡市の山町筋で開かれた。各町の山宿で入魂式が行われたほか、山車(やま)全7基のうち3基が光で鮮やかに照らし出され、訪れた人を魅了した。

 入魂式は各山車ごとに行われた。山宿に人形や幔幕(まんまく)などを飾り、おはらいをして人形に神様を降臨させる儀式を開いた。

 高岡御車山会館に展示中の二番町の山車に加え、山町筋観光駐車場などの臨時山倉2カ所に御馬出(おんまだし)町、小馬出(こんまだし)町の山車をそれぞれ展示。午後6時半にライトアップされると、大勢の見物客がひときわ輝く装飾に見入っていた。

 地元児童らでつくる子ども巫女(みこ)が、前日祭のあった高岡関野神社や、坂下町公民館前で舞を奉納した。山町筋や周辺ではイベントなどが行われ、観光客らでにぎわった。通りにある作曲家の室崎琴月の生家、室崎家には21人が集まり、民謡歌手の長岡すみ子さん(富山市)らによるステージがあった。参加した笠島修一さん(75)は「町が祭りに向けて盛り上がっていく様子は毎年見ていてわくわくする」と話し、祭り本番を心待ちにしていた。

 1日は午前11時ごろから山車が巡行する「奉曳(ぶえい)」が行われ、正午ごろに片原町交差点に勢ぞろいする。山町筋などを巡り、午後6時に曳き納めを行う。

 祭りは高岡関野神社の春季例大祭で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録されている。

ライトアップされた御馬出町の山車=臨時山倉
ライトアップされた小馬出町の山車=臨時山倉

© 株式会社北日本新聞社