【伊東のおすすめ宿】これぞ正統派。心からくつろげる温泉宿は、都心から1時間半の伊東にあった!

みなさんは温泉宿に何を求めますか?泉質、客室の広さ、良質なごはん、アクセスのよさ…。気になるポイントはいろいろあると思いますが、「安心感」は外せない要素のひとつかもしれません。暮らしニスタ編集部が訪れた「界 伊東」はまさにホッと安心できる、王道の温泉旅館でした!

駅近。なのにお忍びムードがふんだんに漂う界 伊東

「界 伊東」は星野リゾートが運営する温泉旅館ブランド「界」の一施設。JR伊東駅からタクシーで5分という便利なロケーションです。ちなみに首都圏からはJR特急踊り子号で約1時間半。あっという間に着いちゃいます。東海道新幹線の熱海駅経由でもOKです。

老舗感がハンパない門構え。前庭がとても素敵です。紅葉の時期は庭が赤く染まるそうですよ!玄関では、生け花の先生による巨大な作品がお出迎え。

ロビーからは、館内の日本庭園を眺めることができます。「さぁ、くつろぐぞぉ〜!」と程よいやる気が芽生える落ち着いた空間。ロビーやフロント付近は季節ごとに異なるつるし飾りがディスプレイされています。つるし飾りとは伝統工芸の一種で、布製の人形や細工を吊るしたもの。

静岡県東伊豆町稲取のつるし飾りは、日本三大つるし飾りのひとつなんだそうです。界 伊東に飾られているものはすべて地元の作家さんが手掛けているとのこと。ひとつひとつ表情や色が違ってかわいい…!

客室にもつるし飾りが。三世代や友人家族で泊まりたい

今回の客室は、特別和室。

リビングルームとクッションコーナーがあり、ゆったり過ごせる広いつくりです。ここにもつるし飾りが!つるし飾りをモチーフにしたクッションもありました。

特別和室はなんと最大8名まで宿泊可能!ベッドルームが2部屋きちんとつくられていて、それぞれの部屋にベッドが4つ入ります。祖父母、実家や義理の両親と泊まるのにぴったり。部屋を分けられるとお互いあまり気を使わずリラックスできそうです。友人ファミリーとワイワイ過ごすのもいいかも。

客室はもちろん定員2名や4名のタイプ、露天風呂つきタイプもあります。露天風呂は屋上庭園の中に設られていて、特にこれからの季節は最高ですね!気持ち良すぎて長風呂に注意です。

ちなみに界 伊東の客室はすべて、伝統工芸を各所に使用したご当地部屋。切り絵作家さんがつくった行灯や、染織家さんが繭玉から織り上げたスクリーン…。

恐縮してしまいそうですが、色使いやデザインはモダンで押し付けがましさは一切ナシ。こういう意識、くつろげる空間にはかなり重要です。界のテーマが「王道なのに、あたらしい。」というのにも納得。

湯量がスゴい伊東温泉。庭や滝を眺めながらのんびり浸かりたい

伊東温泉は、日本三代温泉のひとつ。源泉数は750本を超えているそうで、静岡県で一番の総湯量です。低刺激で、さらっとお肌に優しいお湯。泉質がいいと、それだけで旅のテンションは上がります。期待感も膨らむ!

界 伊東では、大浴場へ向かう途中に足湯を発見。

足湯の目の前にある湯上がりコーナーにて、アイスキャンデーを物色。口はひんやり、足元はあったかい。これ、最高ではないですか!

日本庭園を眺めながら浸かっていると、時間が経つのを忘れてしまうほど。庭園では1年を通して季節の花々を楽しめるようになっていますよ。日本人でよかった!と心から思う瞬間です。

庭園を横目に、メインディッシュである大浴場へと移動します。

岩から流れるお湯の滝が、なんとも幻想的。目と耳と皮膚で味わう、五感を刺激されまくりの温泉でした。

ここは女湯の様子なのですが、男湯よりも少し広めにつくられているそう。女性のグループ旅行や三世代旅行が多いという事情を配慮した設計、細かい気配りがうれしいですね。

美しすぎる和会席。伊豆の名産・金目鯛は姿蒸しでいただく!

伊東温泉がある伊豆は、海の幸が豊富なエリア。新鮮な魚介類を堪能したいところです。今回は金目鯛の椿蒸しがいただける、春夏の特別会席を予約しておきました。

まずは先付け、金目鯛のスモークからスタート。

伊東市の市花である椿をかたどった器に金目鯛の極薄スライスが。ニューサマーオレンジのゼリーと一緒にいただきます。スモークの香りもほんのり!

こちらは界オリジナルの宝楽盛り(八寸、お造り、酢の物)です。お造りには伊勢海老が!手前にある花の器は、蚕(そら)豆の玉寄せ 順菜乗せ。こうした食材に魅力を感じられるのは、大人になったからこそ。年を取るのも悪くない、と思えるから不思議です。

和の食材、魚介には日本酒が好相性。静岡には酒蔵が多く、銘酒もたくさんあるそうです。メニューとにらめっこした結果、特別純米「池のさと」をチョイス。

台の物として登場したのは、金目鯛の椿蒸し。椿油をジュワーっと注いで完成です。身はふっくら、ジューシー。お刺身もいいけれど、白ご飯に合う魚料理はなんだかホッとします。この後、土鍋で炊いたツヤツヤのご飯と一緒に完食しました!

ちなみに朝ごはんは安定の和定食。鯖の柑橘みりん干しは、ご飯をおかわりしたくなるほどのウマさ。伊東で知らない人はいない、無添加天日干しの干物を手がける島源商店のものだそうです。スタッフ一同、帰りの電車に乗る前に「島源商店」へ立ち寄り干物をたくさん購入して帰りました。

伊東の郷土料理、ちんちん揚げ(魚やいかのすり身にしょうがなどを混ぜて揚げたもの)もおいしかったなぁ。こちらは「ねりものや武」のもの。

椿油を自分でつくる⁉︎ アクティビティに参加してみた

伊豆みやげといえば、椿油。ここ伊東でも椿の木はたくさん植えられていて、界 伊東では椿油づくりアクティビティが行われています。

宿泊者なら誰でも参加OK。チェックイン時に予約するだけなので、気軽に参加できます。

椿油のことは知っていても、椿のどこからどうやって油を絞るのか今まで考えたこともなかった…!椿は花が落ちたあと、椿の実がなります。乾燥すると実がはじけて中から種が出てくるというわけ。その種の殻を剥き、搾油機で絞っていくんです。

硬い種の実を押しつぶして油をとるので、ハンドルを回すのには思った以上に力が必要。でもかなり楽しい…!

チョロチョロと流れ落ちる椿油。種12粒からとれる量は、およそ5ml。びんに入れて持ち帰れるので、ひじやかかとなど乾燥している部分に塗り込むといいかも!

おみやげパトロールも欠かせません!

チェックアウト後は、忘れちゃいけないおみやげパトロールタイム。気になったおみやげはこの3つです!

■華椿(4個入り) 600円

客室のお着き菓子(ウェルカムスイーツ)で、「おいしい!」と購入していく宿泊客がかなり多いとの噂をキャッチ。こしあんをさつまいも入り黄身あんで包んで蒸した和菓子です。シンプルで優しい甘みがクセになる!どんな世代にもウケる、万能のおみやげ。パッケージデザインは、伊東(修善寺)を拠点に活動している切り絵作家・水口千令さんが手がけているそうです。

■伊豆海塩エステ石鹸(大)610円、(小)300円

伊豆らしいおみやげ&バラマキにちょうどいい個包装石鹸です。深層海水からつくられた伊豆大島の海塩をたっぷり使用。乾燥肌にうれしいハチミツも配合されているので、全身つるつるプリプリになれそうです!

■花暦 ポストカード 170円、ぽちぶくろ(3枚入り) 330円

熱海市在住の消しゴムはんこ作家、津久井智子さんと界 伊東がコラボした、ここでしか手に入らないアイテム。津久井さんの作品は館内の至るところで使用されているんです。おみやげ品も充実!伊豆の四季の花々が美しいぽちぶくろや、吊るし飾りのポストカードなど、季節の移り変わりに合わせてデザインが入れ替わるとのこと。訪れるたびに少しずつ買いそろえるのもオツです。

癒やし空間と地産地消の食事、アクティビティ。界 伊東は「ウンウン、こういうのが落ち着くよね!」と誰もが納得の温泉旅館です。「両親を連れて行きたい」「親族のお祝いごとを兼ねるといいかも」と、再訪のイメージがどんどん湧いてくる旅となりました。

今回「暮らしニスタ」が訪れたのは「界 伊東」

住所/静岡県伊東市岡広町2-21
TEL/予約050-3134-8092(9:30AM〜6:00PM)
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiito/

撮影/榊 水麗 取材・文/佐藤望美

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