シルバーストンに新拠点を設置しF1事業に取り組むアンドレッティ。エンジニアリング職や製造部門などの採用も進める

 アンドレッティ・グローバルは、2025年または2026年にF1のグリッドへ加わることはF1によって拒否されたものの、F1に参戦する計画を推し進めている。

 マイケル・アンドレッティがCEOを務めるアンドレッティ・グローバルは、今月初めにシルバーストンに4万8000平方フィート(約4459平方メートル)の新施設を正式にオープンした。この施設はヨーロッパ拠点として機能するが、ここで働くスタッフの採用が行われており、新たに60のポジションを募集する採用広告が出されている。募集が行われているポジションには、空力開発や機械設計の責任者などの上級職が含まれている。その他の求人は、空気力学やCFD(計算流体力学)などのエンジニアリング職だ。

 またチームは、モデル設計、エレクトロニクス、制御システム、IT、車両性能、製造の分野において適切な経験を持つ人材も募集している。すべてのポジションは、シルバーストンの新本社を拠点とする。

アンドレッティ・グローバルがシルバーストンの施設をオープン

 アンドレッティがいつF1にエントリーできるのか、そもそもF1にエントリーできるのかどうかは、まだ明らかになっていない。F1が最初にチームの申請を却下した正式な理由は、FIAからの承認は受けたものの、スポーツに十分な価値をもたらさないためというものだった。マリオ・アンドレッティは週末に『AP』に対し、彼と息子のマイケルは、却下について説得力のある理由を知らされていないと語った。彼はそれが「間違いなく財政面にある」と確信し、「何が間違っているのか教えてほしいものだ」と語った。

 F1上層部は、アンドレッティが提携したエンジンパートナーであるキャデラックが、2028年まで新チームにパワーユニットを提供できないことに不満を示したが、そのシーズンを念頭に置いて申請を見直す可能性があることを示唆した。しかし、ゼネラルモーターズの子会社に新しいエンジンを作るための巨額の投資をさせておきながら、グリッドに立てる保証がないのは、典型的な板挟みの状況にあるということだ。

「ゼネラルモーターズは、このプロジェクトに興奮しているとはっきり明言している」とアンドレッティは語った。

「彼らは長期的にコミットしている。あと他に我々に何ができるのか、私には分からない」

 新ファクトリーをオープンし、そこで働くスタッフを雇うことは、勢いを維持すること、そして、今後4年から5年のどこかのタイミングでグリッドに加わる道を推し開くための取り組みを真剣に続けていることを示すことで、F1に圧力をかけようという試みだ。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズを訪れたマリオ・アンドレッティ(2023年F1アメリカGP)

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