福島県内空き家 最多13万1000戸 総務省調査 5年で7000戸増加

 福島県内の空き家数は昨年10月1日時点で過去最多の13万1千戸だった。総務省が30日、全国の住宅・土地統計調査(速報値)を発表した。5年前の前回調査から約7千戸増えており、住宅総数に占める割合も過去最高の15.2%で全国平均の13.8%を1.4ポイント上回った。高齢化や都市部への人口流出などが背景にあり、国や県内市町村の空き家の解体促進など適正な管理対策も思うように進んでいないのが現状だ。

 1993(平成5)年に5万3500戸だった県内の空き家戸数は2023年までの30年間で2.4倍に増加した。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故発生後は避難指示が出された12市町村を調査対象から除外したため、一時的に減少したが再び増加に転じた。

 人口減少に加え、独居高齢者世帯の増加によって住人の介護施設などへの入居を機に空き家になる事例が以前より増えているという。空き家の解体撤去も所有者の高齢化などにより進んでいないのが現状だ。

 中山間地だけでなく都市部でも空き家の数は増え続けている。郡山市は空き家の解体にかかる費用の一部を補助(上限50万円)する制度などを導入した。ただ、所有者らと連絡が付かず、制度の利用に結びつかないケースも多い。国は昨年の法改正に伴い危険性がある空き家を放置した場合の対策などを強化しており、市の担当者は「法改正を踏まえて新たな策を見つけたい」としている。

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