歯科医師から学長へ 長崎国際大の中村誠司さん 地域に貢献する人材育成 【インタビュー】  

中村誠司氏

 〈長崎国際大(佐世保市)の学長に今春、中村誠司氏(66)が就任した。地域の大学としての魅力づくりを聞いた〉
 -これまでの経歴を。
 歯科医師。九州大で口腔(こうくう)外科を専門とし、口腔がんや唾液(だえき)腺疾患の治療などに取り組んだ。研究、診療は後輩に任せ、教育にチャレンジしたいと思った。若い人にモチベーションを与え、育てる仕事。今までのノウハウを生かしていきたい。
 -大学の印象は。
 活気がある。学生のあいさつがいい。ホスピタリティー(おもてなし)の精神を大切にしている。「いつも、人から。そして、心から。」という開学からのテーマが浸透している。
 -学生に期待することは。
 大学生活を楽しんでほしい。エンジョイするということ。遊び半分の気持ちではなく、一生懸命やって達成感、充実感を得る行動を意味する。そしてチャレンジ精神、探求心をキーワードに、高い志を持って未来の礎を築いてもらいたい。自ら考え、決断し、行動する。そして責任を持つ。自立に加え、自らを律する「自律」を培ってほしい。
 -人間社会、健康管理、薬学部の3学部と大学院がある。特色は。
 本学には人間社会学部に国際観光学科があり、近くにはハウステンボスがある。国際的な視点で観光、地域の活性化に貢献できる人材を育成したい。そして医療分野における人材育成がポイントとなる。医師、看護師、介護福祉士…。高齢化が進む中、多職種の連携が必要。いろんな人がチームを組んで対応することが求められている。
 -地域における大学の役割は。
 少子高齢化が進む中、地域のニーズに応える人材の育成が重要。地域に暮らす高校生らが何を目指すか。地域の企業がどんな人材を求めているかを認識することが大事。たとえ卒業後、県外に就職しても、佐世保の魅力を発信する社会人になってほしい。

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