岩手県内、液状化対策進まず ハザードマップ対応は3市のみ

 

 岩手県内で大規模地震に伴う液状化の対策が進んでいない。県は最大クラスの地震で住宅を含め680棟が全壊すると推計するが、一定の被害が見込まれる16市町村のうちハザードマップを作成したのは3市にとどまることが岩手日報社の取材で分かった。道路のうねりや家屋が傾く被害が相次いだ能登半島地震から4カ月。津波や地震対策を優先しているのが現状で、専門家は住民の理解と備えにつながるマップの作成を促す。

 県想定では日本海溝でマグニチュード(M)9クラスの地震が発生した場合、液状化による全壊は一関市の150棟が最も多く、久慈市100棟、宮古市80棟など。16市町村で10棟以上が全壊し、半壊も含めると5200棟に被害が出る。

 対応したマップを作成したのは盛岡、久慈、宮古の3市。久慈市防災危機管理課の下舘勝佳主任は「住んでいる所の危険度を知ってもらうことが大切。有事に命を守るため動くことができるよう、引き続き周知したい」と説明する。

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