京成バラ園愛した桂由美さん 94歳で死去 庭園のシンボル「愛のガゼボ」寄贈

愛のガゼボが建つ庭園を訪れた桂由美さん=2009年10月(京成バラ園提供)

 洗練されたウエディングドレスなどブライダルデザインの第一人者、桂由美(かつら・ゆみ、本名結城由美=ゆうき・ゆみ)さんが4月26日、94歳で死去した。

 春バラが見頃を迎えつつある八千代市の京成バラ園は、1998年に「ローズユミ」と名付けられた白いバラを発表するなど桂さんとゆかりが深い。庭園に建つシンボル「愛のガゼボ」は、99年のリニューアルオープン時に桂さんが寄贈したもの。バラとガゼボが作る西洋風庭園の趣に引かれ、ウエディングドレス姿の写真を撮ったり、桂さんのドレスで結婚式を挙げたりする女性もいた。

 デザインのモチーフとしてバラを大切にしていた桂さんは、毎年春秋の開花時期に同園を訪れていたという。今年3月のデザイナー活動60周年コレクションでも、バラを大胆にあしらったデザインを披露していた。

 同園の諸川良太社長は桂さんの訃報に「常に情熱と愛情に満ちあふれており、未だに信じられない。日本と世界のブライダル文化に多大な貢献をされた。バラと当園を愛していただき、深く感謝してご冥福をお祈りする」としのんだ。

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