最高年俸WRの称号を重視しないイーグルスWRブラウン

フィラデルフィア・イーグルスのA.J.ブラウン【AP Photo/Matt Slocum】

フィラデルフィア・イーグルスはA.J.ブラウンをNFLで最高の年俸を誇るワイドレシーバー(WR)にしたが、プロボウルに選出された経歴を持つブラウンはその地位の重要性を軽視している。

現地4月30日(火)、ブラウンは「何もない、何もない。俺はそれを証明したい。俺たちは紙の上でプレーしているわけじゃない。プレーしているときに銀行口座の中身を気にするヤツなんていない」と報道陣に語った。

ブラウンは先週、3年9,600万ドル(約151億4,842万円)の契約延長にサイン。ブラウンは新契約で得る年平均額3,200万ドル(約50億4,939万円)――イーグルスにトレードされて4年1億ドル(約157億7,935万円)の契約延長にサインした2年後に実現した――で、ワイドレシーバーの中でトップに立つ。また、8,400万ドル(約132億5,465万円)の保証額もこのポジションでは最も高い。

ブラウンが最高額の年俸を誇るワイドレシーバーであることを軽視したのは、ダラス・カウボーイズのシーディー・ラムやシンシナティ・ベンガルズのジャマール・チェイス、ミネソタ・バイキングスのジャスティン・ジェファーソンといった選手がすぐに自分の年俸を上回ることになると分かっているからかもしれない。結局、ブラウンはデトロイト・ライオンズのアモン-ラ・セント・ブラウンが一時的にその座に就いてから約30時間後に新契約を結んでいる。

NFLにおける“最高年俸”の栄誉は一瞬のものであり、ブラウンが目指しているのは別の形の栄誉、つまりロンバルディトロフィーだ。

2029年シーズン末まで続く今回の契約が、いつか自分がイーグルスの一員として引退することを示唆するものであることを期待していると明かしたブラウンは、こう話している。

「クリーツを脱ぐ時には、あのユニフォームを着るつもりだ。引退する準備をしているわけではないけど、それが目標なんだ。ここに来てから自分のキャリアは軌道に乗ったと思っている。次のレベルに上がった。しっくりくる。家族もここにいる。娘もここでまた学校に通い始めた。チームメイトもいるし、彼らの子どもたちもいる。彼らが一緒に成長してほしいと思っている」

テネシー・タイタンズから移籍して以来、ブラウンはイーグルスの一員としてプロボウルとオールプロのセカンドチームに2年連続で選出されている。2022年、ブラウンはキャッチ88回で1,496ヤード、タッチダウン11回をマーク。続く2023年にはキャッチ106回で1,456ヤード、タッチダウン7回を記録した。

「ここがホームだ。ここがホームなんだ」と強調したブラウンは「良い日もあれば悪い日もあるだろうけど、ここがホーム。とても気に入っている。最高の街だ。単純にサポートが突き抜けている。アウェーゲームも、ホームゲームもな。アウェーゲームはホームゲームのように感じられる。このサポートシステムは他とは比べものにならない。ものすごく気に入っている」と続けている。

今オフシーズン、イーグルスのジェネラルマネジャー(GM)ハウイー・ローズマンは今後も何度かスーパーボウル出場を目指せるように、クラブの中核を担う選手の確保に取り組んできた。ガード(G)ランドン・ディッカーソンやキッカー(K)ジェイク・エリオット、ランニングバック(RB)セイクワン・バークリー、セーフティ(S)C.J.ガードナー・ジョンソン、オフェンシブタックル(OT)ジョーダン・メイラタ、WRデボンタ・スミス、そしてブラウンは全員、今オフシーズンに複数年契約または契約延長を実現させている。イーグルスは昨年にクオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツの契約もまとめており、その基盤は数シーズンにわたって整えられていると言えよう。

【RA】

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