優美な女性像と草花を組み合わせた作品で知られる芸術家アルフォンス・ミュシャ(1860~1939年)の世界を紹介する企画展が、天童市美術館で開かれており、マルチ・アーティストの先駆けとして活躍したその魅力をひもといている。
チェコ在住の医師ズデニェク・チマル氏のコレクションから169点を展示。フランスの舞台女優サラ・ベルナールを描いた演劇ポスターはミュシャの代表作で、中でも出世作となった「ジスモンダ」が来場者の目を引いている。会場ではほかにも、菓子パッケージから宝飾品におよぶ商業デザイン、書籍の挿絵、油彩画、素描など多彩な作品が紹介されている。
池田良平館長は「ミュシャが活躍したのは消費文明が始まった頃で、ミュシャは時代の波に乗り積極的にデザインを手がけ、その多くが日常生活に溶け込んだ。日本でも人気の高いミュシャ作品の数々を、この機会に鑑賞していただきたい」と話している。
6月16日まで。5月12日と6月16日の各午後2時からギャラリートーク、6月8日午後6時半からコンサートを行う。