開館30周年  “漫画の神様”の魅力伝える「宝塚市立手塚治虫記念館」 人々に愛され続ける理由とは

漫画の神様・手塚治虫について、大人達が大いに語る

漫画の神様・手塚治虫が、5~24歳までの時代を過ごした兵庫県宝塚市に「宝塚市立手塚治虫記念館」がある。同氏ゆかりの品や数々の作品が展示された記念館が、今月25日で30周年を迎えるにあたり、同館で係長を務める矢野さんが地元ラジオ番組に出演し、パーソナリティを務める神戸のワクワクロックンロールバンド・ワタナベフラワーのメンバー3人に記念館と手塚治虫の魅力を語った。

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宝塚市立手塚治虫記念館は、手塚治虫さんが亡くなった後、1994年4月25日に開館した。放送日の2024年4月24日(水)の翌日が記念日であることから、ワタナベフラワーの3人も「おめでとうございます!」と祝福した。

記念館が宝塚市につくられたことについて矢野さんは、「記念館はおもに手塚治虫さんと宝塚の関係を掘り下げています。5歳~24歳まで宝塚で様々な経験をされたことが創作の礎になったそうです。手塚さんは『自然への愛・生命の尊さ』をメッセージに語っており作品には宝塚歌劇団の観賞や戦争体験、昆虫採集などの宝塚で得られた経験が描かれています。このような宝塚市との繋がりから、記念館が作られました」と話した。

手塚作品について、ワタフラのクマガイは「鉄腕アトムやジャングル大帝など多くの名作を残していますけど、リアルタイムでそういった漫画やアニメを見ていた世代ではない。でも、みんな知っていますし、鉄腕アトムの世界観ですごいのが、梅田にある高速道路が刺さっているビルも手塚治虫さんは先に描いてんねん。そういう想像力は計り知れない。まさに漫画の神様ですよね」と魅力を語った。

また「鉄腕アトムの曲のメロディめっちゃすごいですよ。『心優しい~(鉄腕アトムの冒頭)』って、全部半音で上がってるんですよ。あれ僕、めっちゃ感動してる。半音進行(クロマチック)になっているのがすごい」とミュージシャンとしての観点から分析したが、イクローから「歌詞そっち?『空を超えて~』じゃないんや」とツッコまれていた。

記念館が30周年を迎えるにあたり、ゴリ推ししているポイントを聞くと、「日本の漫画・アニメのルーツを感じていただけると思います。現在、毎週30分アニメが放送されていますが、鉄腕アトムの最初のシリーズで『リミテッドアニメ』という作画枚数の省略や『バンクシステム』という新しい方法論で毎週30分作ったのが始まりでした。昭和の頃、サラリーマンが週刊漫画誌を読んでいたのも日本だけじゃないかと。亡くなったときの新聞記事で『手塚治虫さんがいたからこのような世界になったのではないか』という言葉も聞きます。手塚さんと宝塚との関係性やヒストリー・作家活動の常設展もちろん、他の作家さんと世界観をつなげるような企画展も入れ替えで年3回行っています。手塚さんの作品を集めたライブラリーコーナーもあり、是非読んでみてほしい」と語った。

最後に、手塚治虫記念館の夢や目標について矢野さんは「手塚治虫さんのメッセージ『自然への愛・生命の尊さ』を多くの方に知っていただくこと。そして、青少年の方に夢や希望を持ってもらうことがミッションになっています。今後も手塚作品や漫画・アニメーションの展示を行い、多くの人に手塚作品を知っていただけるよう頑張っていきたいと考えています」と話した。ワタフラは「多くの方に知っていただけるよう我々も応援しています。30周年おめでとうございます!」とエールを送った。

(取材・文=迫田ヒロミ)

※ラジオ関西『Clip水曜日』2024年4月24日放送回より

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