農心ジャパン「辛ラーメン」 マイルドな“キムチ”で新規開拓 噂の漢江ラーメン体験も

韓国「辛ラーメン」を販売する農心ジャパンは、激辛ファンの熱い支持に応えながら、比較的マイルドな「辛ラーメン キムチ」の提案を強化し、新たなユーザー層の開拓を目指している。マーケティング部の鄭永日(ジョン ヨンイル)部長は「『同キムチ』はもともと日本人の辛さの許容度を考慮して開発。当社製品の『うまからっ!』には様々なバリエーションがあることを多くの方に知っていただきたい」とアピールする。

キーワードは「辛いって、たのしい!」

「辛ラーメン」は100か国以上で販売され、日本でも右肩上がりの成長が続く。23年にブランドトータルの売上が100億円を突破した。赤いパッケージの「辛ラーメン(袋麺・カップ麺)」は、いまや食品スーパーなどの即席麺売場に欠かせない存在となっている。

そんな同社は24年の重点商品に「辛ラーメン キムチ」を挙げる。オリジナルフレーバーの旨みはそのままに、日本人向けに辛さと酸味を抑えたキムチのさっぱりとした味わいが特長。「辛ラーメンシリーズの中で最もマイルドな辛さ。辛いものが苦手な方にもぜひ試してほしい」(鄭部長)。

その一環でスーツブランド「SUIT SELECT(スーツセレクト)」の全店舗とコラボレーション。3月中旬から新社会人限定で、スーツなどを購入した先着2万人に「辛ラーメン キムチ 袋麺」をプレゼントした。

今後は「食品スーパーなど店頭向けの消費者キャンペーンも計画し商品の認知・理解・体験を促進していく」(同社)。

「漢江ラーメン体験」で話題喚起

一方、コロナ禍の落ち着きを受け、24年は様々なイベントで積極的に試食を行っている。注目は韓国でポピュラーな「漢江(はんがん)ラーメン体験」だ。インスタントラーメン専用の自動調理機を使用するもので、K―POPフェスティバル「KCON JAPAN 2024」(5月10~12日)や「江の島海の家」(7~8月頃)などで展開する。

「辛ラーメン」「同キムチ」はもちろんのこと、映画「パラサイト 半地下の家族」でも話題になった「ノグリ」と「チャパゲティ」など幅広いラインアップをアピールする。

「『辛ラーメン』のブランドスローガンは『辛いって、たのしい!』。韓国メーカーならではの提案を楽しみ、味わっていただければ」(鄭部長)。

国連WFP活動に協賛

23年12月から、国連WFPが実施する「レッドカップキャンペーン」に参加している。売上の一部を寄付し、世界各地の子どもたちに学校給食を支援することが目的だ。対象商品は「辛ラーメン3食入 袋麺」「同カップ」を第1弾に、24年3月に「同キムチ3食入 袋麺」「同キムチカップ」「同ブラック3食入 袋麺」を加え、9月頃から「辛ラーメン激辛 カップ」も予定。

同社は「CSR活動の一環。日本法人設立から20年余りが経過し、市場で一定のご支持をいただいている中で、社会的責任を担っていく第一歩として取り組む」としている。

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