ロンドンの住宅地で刃物襲撃事件、14歳の少年が死亡

ロンドン北東部で4月30日朝、日本刀のような刃物を持った男性が人々を襲い、14歳の少年が死亡、警官2人を含む4人が負傷した。

警察は同日午前7時ごろ、ヘイノートで車が住宅に突っ込み、人々が刺されているという通報を受けた。

けがを負った少年は病院に運ばれたものの、その後死亡したという。

容疑者は、住宅の庭のフェンスを飛び越えて逃亡したが、前庭で追い詰められ、テーザー銃を使った警官によって拘束された。

逮捕されたのは36歳の男性容疑者。ロンドン警視庁によると、容疑者は車が衝突した際にけがをし、病院で手当てを受けており、まだ聴取は始まっていない。

ソーシャルメディアでは、刃渡りの長い刃物を持った男性が住宅地にいる動画が共有されている。

スチュアート・ベル警視は、「何が起こったのか、答えと説明を求める声があるのは理解できる」とし、「事実関係をすべて明らかにする」ために努力していると述べた。

また、負傷した警官は外科手術の必要があると説明。刺し傷は「深刻」なものだが、命に別状はないと述べた。

民間人の負傷者についても、「致命傷ではないとみられる」と話した。

事件についてベル警視は、広く一般市民に対する継続的な脅威はないと考えており、他の容疑者は探していないと話した。

また、事件はテロ関連ではなく、「標的を絞った」攻撃でもないと付け加えた。

殺された少年の家族は、専門職員の支援を受けているという。

事件を目撃したジェイムズ・フェルディナンドさんは、容疑者が住民の一人に、容疑者の携帯電話に出て、「自分の居場所を電話の人に伝えてほしい」と頼むのを見たと話した。

しかし、その住民はすぐに刃物に気づき、走り出したという。

その住民は逃げながら、通学途中の少年に叫んだが、その少年は振り向いたところを容疑者に襲われたという。

別の目撃者のクリス・ベイツさんは、容疑者が住宅地を走り抜けるのを見たと語った。

「彼は住宅の庭を走り抜けて、隣の家のところで道路に出た」

「警察がそこにいたので、彼はさらに2軒分走り、足場のようなところに上ろうとしたが、警察がテイザー銃を使って彼を倒した」

現場近くの地下鉄ヘイノート駅は、事件を受けて一時閉鎖された。路線バスも迂回(うかい)ルートを取った。

ロンドンのサディク・カーン市長は、「私たちの思いは、この幼い子供とその家族と共にある」と、哀悼の意を示した。

また、今後数日間、制服警官を追加でこの地域に派遣すると述べ、ヘイノートの住民に対し、携帯電話やドアホンのカメラに記録された映像を警察に渡すよう要請した。

リシ・スーナク首相は、この事件を「ショッキングな出来事」とし、「私たちの街には、このような暴力の居場所はない」と述べた。

(英語記事 Hainault: Boy, 14, killed in sword attacattack

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