カウボーイズへの帰還を喜ぶRBエリオット、「ホームに戻れて最高の気分」

エゼキエル・エリオット【AP Photo/Matt Durisko】

ダラス・カウボーイズのオフシーズンには派手な動きがたくさんあったわけではない。

しかし、有名選手の帰還が活気をもたらし、話題となっているのは確かだ。

今週、カウボーイズに戻ってきたランニングバック(RB)エゼキエル・エリオットにとっては歓迎すべき再会であり、現在も誰にも劣らず走れることをNFL界にアピールする、またとないチャンスだと言えよう。

2023年にニューイングランド・ペイトリオッツで自分の力を証明したと信じているエリオットは、ダラスでも同じことができると感じている。

カウボーイズのチーム公式サイトによると、エリオットはペイトリオッツで成し遂げたことについて「単純に、このリーグでスターターになれることを証明した」と話したという。

「俺はまだ高いレベルでプレーできる。それをここでも続けるつもりだ。俺は常に万能なバックであることを誇りに思ってきた」

「ボールを持って走るだけじゃなくて、クオーターバック(QB)を守り、バックフィールドから抜け出してボールをキャッチする」

エリオットはすべてが始まった場所に戻ってこられたことに満足している。友人のQBダック・プレスコットはまだ司令塔を務めており、ヘッドコーチ(HC)もマイク・マッカーシーのままだ。依然として注目を集めている一方で、カウボーイズは今もプレーオフでの成功をつかめていない。

エリオットは「ホームに戻れて最高の気分だ。間違いなくここが恋しかった。この建物も、カウボーイズネーションも恋しかった。間違いなく興奮しているし、動き出す準備はできている」と強調している。

2016年NFLドラフト全体4位指名を受けたエリオットは、カウボーイズでキャリアを開始した。新人時代にキャリー数(322回)、ランヤード(1,631ヤード)、試合平均ランヤード(108.7ヤード)でリーグトップに輝いたエリオットは、NFLのスーパースターとなった。しかし、それは7年前の出来事だ。

エリオットの歩みが遅くなったと主張するのは難しいが、エリオットが今もバックフィールドで万能な存在であり、ブロッカーとしてであれ、チェックダウンを受ける選手としてであれ、特にパスゲームで役に立つ存在であることに異議を唱えるのもまた難しいと言えよう。

2023年におけるペイトリオッツのオフェンスを振り返るのは、ワクワクするような試みではない。ペイトリオッツは昨季に得点で31位、獲得ヤードで30位に沈んでいる。それにもかかわらず、エリオットは自分にできることをし、レシーブ数(51回)、ランヤード(642ヤード)、スクリメージヤード(955ヤード)でチームトップに立った。

そしてエリオットは現在、ダラスのスター選手たちの元に戻ってきている。エリオットはそこで、プロボウルに3回、オールプロに1回選出され、ラッシングチャンピオンに2度輝いた。それでも、エリオットが最後にランヤードでNFLをけん引したのは2018年シーズンのことで、プロボウルに最後に選出されたのは2019年シーズンだ。エリオットはこの2シーズンでいずれも過去最低のキャリー平均ヤードにとどまっている(カウボーイズに所属していた2022年に3.8ヤード、ペイトリオッツに所属していた2023年に3.5ヤード)。したがって、エリオットがカウボーイズのラン攻撃を活性化させられると考えるのは不合理だと言える。

多くの人から破綻したと見られているものの、“すべてを賭ける”オフシーズンに、カウボーイズはエリオットが自分にできる形でチームを助けてくれると期待している。エリオットは元チームメイトのリコ・ドウデルをはじめとし、ディース・ヴォーンやロイス・フリーマンといった新しい顔ぶれも見られるRB陣に加わることになった。

カウボーイズのRB陣に訪れた大きな変化として、トニー・ポラードの離脱が挙げられる。

エリオットのカウボーイズ時代が終わりに近づくにつれて、ファンや評論家がエリオットの出番を減らしてゲームを破壊する能力を持つポラードの出番を増やすよう求めるようになったのは、ポラードの生産性とポテンシャルの高さが要因だった。ポラードは2023年シーズンの大部分でその期待を下回っていたものの、それでもテネシー・タイタンズとの素晴らしい新契約を手に入れている。かつてチームメイトだったポラードのことを思って喜んでいるエリオットは、次のようにコメントした。

「TPが大型契約を得るのを見るのは間違いなくうれしい。彼はとてつもないキャリアを歩んできた素晴らしいバックだ。彼とその家族のことを思うとワクワクする。トニーがチームにもたらす爆発力について言えば、間違いなく前とは違ったものになるだろう」

ドウデルもポラードと同様にフリーエージェント(FA)になったが、最終的にダラスに戻ってきた。

29歳のエリオットが復帰しても、ドウデルがカウボーイズの1番手RBとなる可能性はある。25歳のドウデルは、昨季に361ヤードと決して目を見張るような数字を残したわけではないが、ポテンシャルを発揮する場面もあった。エリオットよりもフレッシュな脚と、チームでの経験を持つドウデルは、少なくとも以前より大きな役割を担うことになるだろう。

エリオットは「リコは去年、間違いなく素晴らしい1年を過ごした。ついに、健康状態を維持しながらね。彼は自分の能力を見せることができた。ボールを持ってものすごく激しく走る。それは俺が彼のプレーで気に入っているところだ。今年もリコとプレーするのは楽しいだろうな」と語っている。

エリオットには依然として自身のプレーで実力を証明する必要があるものの、バックフィールドにおける年長者としてリーダーシップを発揮する役割もすぐに受け入れているようだ。実際、カウボーイズに戻ってきたエリオットは、どのような役割でも担う準備をしている。

「このリーグにこれほど長くいて、自分という存在に満足し、これほど多くのレップスを重ねてきたからこそ、俺は他の選手たちを引き連れ、彼らが道を見つける手助けをすることに集中できる」と言うエリオットは「(カウボーイズのRB陣には)熟練した選手も、いろんな才能を持った選手もたくさんいる。彼らと一緒に仕事をし、互いに刺激し合い、より良いフットボール選手になれるよう助け合うのはエキサイティングなことだ」と続けた。

【RA】

© NFLJapan.com