【Mリーグでのリアル何切る?】放銃回避の園田賢「ピンときた」理由を詳しく解説

4月23日第2試合 東2局1本場 西家・園田賢の6巡目(2万3000点・2着目、ドラ=4萬)

写真の場面であなたならどうする? 何を切る? 下にある【答え】を読む前にまずは考えてみよう。

まだまだ序盤の6巡目。自分の手は先が長そう。リードしている親は早々に中を鳴いている。

【答え=4筒】まだ序盤だし1鳴きだけではテンパイかもわからないから放銃もやむなし、では許されないのがトップ雀士の世界だ。まだ捨て牌の河も1段目のところで、園田賢(ド)の指は2索のツモ切りではなく完全にオリを選択する4筒に伸びた。3シャンテンと遠いとはいえ、三色同順の気配もある状況から、なぜベタオリの選択ができたのか。

状況は対面でトップ目の親番・二階堂瑠美(風)が早々に中を鳴いた。この後の切り順を見て、園田はピンときた。「内切り(3筒→1筒の順)でカン2筒受けを外しながらの中ポンなので、すでに好形でターツは足りていることが読めます。例外としては4筒の受け入れがあるパターン(1356筒の形で47筒受けターツが残るパターン)ですが、次巡の7筒ツモ切りでそれが否定されていました。以上のことから、相当な確率で好形残りの速い手格好なのが予測されます」。1356筒の形から3筒、1筒と切った場合は4筒引きもフォローできるパターンもあり、その場合は手牌が愚形で構成されている場合も増えるが、次巡の7筒切りだったことで、これもなし。「次巡には2枚切れの東を手出しでテンパイの可能性が相当高まりましたので、この時点でベタオリの選択となりました」と説明した。

3筒、1筒、7筒、東と並んだ捨て牌が、情報たっぷりだっただけに園田の決断にも迷いは出なかった。オリと決めたら、後は他の2人へのケアも怠らない。「西はゆくゆく内川選手や仲林選手への安牌候補となるのでまだ切りたくない。瑠美選手に4筒はほぼ安牌ですが、他の2人には1・4筒と4・7筒の2筋になるので、4筒切りとなりました」と、早めに将来の危険牌を処理した。

スルッと持ってきた2索をノータイムで切り飛ばしていれば、瑠美に5800点の放銃をしていたところ。全く抜かりはなかった。

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