This is, This is...May Song!(5月ソングあれこれ)

大型連休がスタートし、暦も5月になりました。今年も3分の1が過ぎたと考えると、1年は早いものです。新しい月の始まりということで、曲名に“5月”を冠した楽曲をいくつかセレクトしてみました。知っている楽曲はあらためて、知らなかった曲はこれを機会に聴いてみるのはいかがでしょうか。

さて、5月は英語で“May”と言いますが、これはローマ神話に登場する豊穣の女神マイア(Maia)を由来としています。楽曲には多くの“May”を冠する楽曲がありますが、ここでは人の名称などの“May”ではなく、5月を意味する“May”ソングをピックアップしていきましょう。

5月の日曜に君の生まれた町へ足を伸ばした……と歌うのは、秦基博の「May」。2013年にリリースした秦の4thアルバム『Signed POP』に収録されています。5月の雨に濡れて、春が消えていったという切ないシーンから始まるのは、ダンス&ヴォーカル・ユニットのM!LKが歌う「May」。この曲は、2017年リリースの1stアルバム『王様の牛乳』に収められています。

俳優とともに歌手としても活躍している吉田栄作は、1994年に14thシングルとして「MAY ~君に逢うために~」をリリース。新しい環境の変化になじめない心境を“5月病”と称したりしますが、そんな時期に気づく、いつのまにか時間に追われた憂鬱さややるせなさを歌っています。『Mr.マーフィーへの伝言~シングルス1989-1995』『LET'S GET OUT! -20TH ANNIVERSARY BEST-』といったベスト・アルバムでも聴くことができます。

1997年にメジャー・デビューを果たしたロック・バンドのPlastic Treeは、翌98年のメジャー2ndアルバム『Puppet Show』にて「May Day」を発表。キラキラした5月の緑とは対照的な、どこかおぼつかない7歳の時の心境について歌っています。『Cut~Early Songs Best Selection~』『Premium Best』『Premium Best-2010 Expanded Edition-』といったベスト盤でも耳にすることができます。

ここからは“5月”がタイトルについた楽曲を軽くご紹介。そのままズバリ「5月」という曲を歌うのは、シンガー・ソングライターの入江陽。2016年のアルバム『SF』の収録曲ですが、2020年には新たに歌い直し、トラックメイカーのPARKGOLFがリアレンジしたヴァージョン「5月(PARKGOLF Remix)」を発表しています。

5月はそよ風が吹くというイメージも強いのか、加藤和彦が「5月の風」、MAMALAID RAGが「5月の風のように」、SMAPが「5月の風を抱きしめて」と“風”をテーマにした曲も多いようです。SMAPの「5月の風を抱きしめて」は、1993年にリリースしたSMAPの4thアルバム『SMAP 004』にて、草彅剛のソロ曲として収録されています。同アルバムは、当時6人全員のソロ曲がラインアップされていることでも知られています。EGO-WRAPPIN'の「5月のクローバー」も新緑の5月に似合う曲名といえそうです。

対照的に、悲しげなタイトルの5月ソングも。ギターロック・バンドのおいしくるメロンパンは「5月の呪い」、井上陽水は「5月の別れ」と冠した楽曲を発表。「5月の呪い」は2016年の初の全国流通盤となるミニ・アルバム『thirsty』に収録。「5月の呪い」と同名タイトル曲は、ボカロP / バーチャル・シンガー・ソングライターの町田73も歌っています。町田73の「5月の呪い」は、2021年リリースの1stアルバム『来世に期待』で聴くことができます。

最後は、斉藤由貴の「N'oublie pas Mai(5月を忘れないで)」を挙げておきましょう。斉藤は谷山浩子が詞を提供した「May」という楽曲を歌っていますが、5月を舞台としているのはこちら。「May」を作詞した谷山が詞を、崎谷健次郎が曲・編曲を手掛け、楽しく過ごすはずだった5月はどこへいってしまったのという、哀しい失恋ソングとなっています。同曲は1989年リリースの斉藤の8thアルバム『age』(アージュ / 写真)に収録されています。

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