東大、工学系研究科で博士号取り消し 学位請求論文で不正確認

東大は3月27日、2016年に当時工学系研究科に在籍していた大学院生へ授与した博士(工学)の学位を25日付で取り消したと発表した。

工学系研究科の加藤泰浩研究科長らはコメントで、学位取り消しの判断に至った過程を説明。元学生の博士論文に不正の疑いが認知されたことを受け、調査委員会を設置した。元学生や指導教員、論文審査委員へのヒアリングを含む精査の結果、論文の重要な成果となる一部で、計算機シミュレーションの結果を実験データのように示していたことが発覚した。この行為が故意な捏造(ねつぞう)に当たるとして、工学系研究科の教育会議で学位認定取り消しが妥当だと議決された。藤井輝夫総長は同会議からの上申を受け、博士号取り消しを決めた。

加藤研究科長は今回の不正が、工学系研究科や東大、研究関連諸機関の「社会的信頼を傷つけるもの」だとし「研究指導や学位審査の過程についてあらためて検証することにより、再発防止策を講じていく」とコメントした。

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