子ども連れにこそ観てほしい、文学座公演『アラビアンナイト』

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5月4日(土・祝) から18日(土) まで、東京・信濃町の文学座アトリエにて文学座公演『アラビアンナイト』が上演される。

『アラビアンナイト』は、2002年に生まれ2011年まで続いた文学座「ファミリーシアター」の記念すべき第一作目に選ばれた作品。ロイヤル・コート・シアターの芸術監督を務めたこともあるイギリスの演出家・映画監督であるドミニク・クックによる、名作「千夜一夜物語」を脚色したものだ。髙瀬久男の演出による青山円形劇場での初演は、小道具や人形を駆使して音楽と演劇とを融合させた公演だった。このイデオロギーを引き継いだ「ぶんがくざこどもげき」は現在まで続いている。今年、「ファミリーシアター」と「ぶんがくざこどもげき」の両方を発展させて再び『アラビアンナイト』の上演が行なわれる。今回演出を担当するのは、『コーヒーと恋愛』『貴婦人の来訪』『毛皮のヴィーナス』で2023年度第30回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞した五戸真理枝だ。「憎しみからは何も生まれない、愛によってしか未来は紡げない」という本作に込められた願いを、国広和毅の音楽、乘峯雅寛による舞台美術、加納豊美による衣裳、そして俳優たちの身体を通して紡ぎ出す。

文学座公演『アラビアンナイト』チラシ(上:表面・下:中面)

なお、5月4日(土・祝) から6日(月・休) の3日間(いずれも14時開演)に限り、ファミリーデイとして家族割が設定され、大幅な割引が行なわれるほか、未就学児の入場も可能で、赤ちゃんが泣いてもOK、上演中の退場、再入場も自由になるという。親子連れが気兼ねなく芝居を観ることができるファミリーデイは、結婚や出産を機に観劇から離れていた人にとってもうれしい取り組みだ。他に、チケット代金の一部を負担することで観劇を希望する子どもたちにチケットをプレゼントできる「ギフトチケット」も実施される。

22年前「ファミリーシアター」が誕生したのは、「これからの未来を担う子どもたちに生の演劇を体感してもらいたい」という願いからだったという。長く愛される名作を観劇する体験は、大人にとっても子どもにとってもきっといい思い出となることだろう。

文:釣木文恵

<公演情報>
文学座公演『アラビアンナイト』

作:ドミニク・クック
訳:鴇澤麻由子
演出:五戸真理枝

2024年5月4日(土・祝)~5月18日(土)
会場:東京・文学座アトリエ

公式サイト
https://www.bungakuza.com/

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