大谷翔平もベンチで呆然!大量の蜂で試合開始が1時間55分遅れに…なぜメジャーでは試合開始が遅れがちなのか

蜂の大群を見つめる大谷翔平(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

2024年5月1日、大谷翔平が「2番・DH」で出場したダイヤモンドバックス戦に思わぬ “ヒーロー” が出現した。

試合会場となったアリゾナ州フェニックスはこの日も快晴。そのため、Dバックスの本拠地チェースフィールドは、開閉式の屋根を開けて試合の準備を始めた。ところが、バックネットの最上部に蜂が大量に飛来。あっという間に、蜂がかたまりのような状態になってしまった。

ここまで大きくなると無視は出来ない。蜂のかたまりがある付近の客は移動し、大谷翔平ら両軍の選手たちもベンチから口を開けて見ていた。

Dバックスは「専門家による蜂の駆除が成功したあと、試合は直ちに再開される」と発表した。

試合開始予定だった5月1日午前10時40分から遅れること1時間10分。駆除のプロであるマット・ヒルトンさんがカートに乗って登場。防護服を着てからクレーンで上昇し、バックネットの蜂を吸い取った。そのとき、球場内には「ヒーロー」の曲が流れていた。

そして、駆除が終わりクレーンが下降し始めると、場内の観客から「MVP」の大歓声がこだました。

ハプニングはこれだけではなかった。センターバックスクリーンには「THANK YOU BEE GUY」という文字が映し出されたばかりか、ヒルトンさんは急きょ始球式にも登場。見事なノーバウンド投球を披露し、再び大歓声を受けた。まさにアメリカらしい粋な計らいだった。

こうして試合は1時間55分遅れでスタートしたのだが――メジャーでは予定していた試合時間が遅れたり、試合開始時間が○時07分とか○時37分とか分刻みで中途半端な設定になっていることがある。いったいこれはなぜなのか?

「日本でもアメリカでも試合開始前にスタメン発表、国歌斉唱、始球式などのイベントがおこなわれることは一緒です。ただ、日本の場合は試合開始時間が優先され、開始時間が午後6時だとすると、それに間に合うようにイベントを入れていきます。

一方でアメリカの場合は、イベントありきで午後6時とかキリのいい時間に設定する。当然、その進み具合が早かったり遅かったりで試合開始時間は変わってくるわけです。

これはテレビ中継やCMを考えてのことでもあります。だから設定時間より少し遅れて○時07分試合開始、なんて中途半端な時間になるわけです」(野球ライター)

メジャーでは、遅れることも試合のひとつなのかもしれない。

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