坂東玉三郎が京都・南座で5年ぶりに阿古屋役 衣装も新調「見た目の美しさとか音楽の心地よさを楽しんで」

取材会に出席した坂東玉三郎

歌舞伎役者・坂東玉三郎が1日、京都市内で行われた「坂東玉三郎特別公演」(6月12~26日=京都四條南座)の取材会に出席した。

本公演は、坂東による口上と「阿古屋」解説後に「壇浦兜軍記 阿古屋」を上演する。同劇場で「阿古屋」を行うのは、コロナ禍前の2019年3月に披露して以来5年ぶりだ。

コロナ禍後、客層が変わったのではないかとの質問に坂東は「それもあって解説を付けました。今回、初めて(歌舞伎を見に)来ても口上と『阿古屋』解説があるから大丈夫」とにっこり。

舞台は平家滅亡後、源頼朝の残党狩りの最中、平家の武将・悪七兵衛景清の行方を問いただすため、景清の遊君阿古屋が問注所に引き出されるところから始まる。

傾城の美女・遊女「阿古屋」を演じる坂東は「動きの少ない芝居。三味線が難しい。恋人のことをしみじみ思うという気持ちが劇場に響いていけばなと思いますけど、うまく演奏しなきゃ響かない」と説明した。

衣装についても「(今まで着てきたものは)25年以上着てきたので破れてきたので、今回新しい打ち掛けを着ます。遊郭系(の衣装の模様は)は、たいてい『ぼたんとくじゃく』なんです。阿古屋は『御簾にアゲハ蝶とくじゃく』。重い衣装はまっすぐ立ってないとより重い。阿古屋の衣装は、25キロ以上あるんじゃないか」と明かした。

最後に「華やかさにひかれて僕もこの世界に来た。見た目の美しさとか音楽の心地よさを楽しんで」と気軽に歌舞伎を楽しんでほしいとアピールした。

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