鹿児島県南さつま市特産の「加世田砂丘らっきょう」が収穫期を迎えている。鳥取に次いで全国2位のラッキョウ生産を誇る鹿児島最大の産地。今年も作柄が良く「豊作だった昨年に続き粒ぞろい」との声が聞かれる。
砂丘地は保水性が低く、多くの作物の栽培に適さないが、ラッキョウは水分や栄養が少ない過酷な環境ほど白さが際立ち高品質になるという。加世田地区の吹上浜沿岸では1970年代に生産が拡大した。
加世田小湊の畑約1ヘクタールで栽培する上釜勝さん(48)は4月25日、大粒ラッキョウを次々収穫した。経営する野菜生産・加工専門のエスランドル(南九州市川辺)は米国などに輸出しており今年はフランスにも送る。「“白い宝石”を多くの人に味わってほしい」と話す。
産地ではこの時季、生食を薦める。上釜さんの父で砂丘らっきょう部会の上釜勝利会長(78)は「甘くシャキシャキとした食感を楽しんで」と呼びかける。
南さつま市では今季約100戸が35ヘクタールで生産。県全体の5割超の約420トンを計画する。