沿道の市民から祝福の嵐 尊富士凱旋

沿道でパレードを待ち構える地元の子どもたち=1日午後、五所川原市金木町
沿道でスマートフォンを構えたり、うちわや手拭いを掲げる市民がみんな笑顔でヒーロー凱旋を祝福=1日午後、五所川原市金木町
手製のうちわを手に、市民栄誉賞授与式に出席する尊富士を出迎えた市職員=1日午前、五所川原市役所本庁舎
五所川原市中心部で行われたパレードで、歓声を上げる大群衆に手を振る尊富士(中央右)と伊勢ケ浜親方(同左)=1日午後
尊富士の晴れ姿を一目見ようと、五所川原市金木総合支所前に詰めかけた大勢の観衆=1日午後

 「優勝おめでとう」「感動ありがとう」。大相撲・尊富士の凱旋(がいせん)パレードが行われた青森県五所川原市は1日、祝福ムード一色に包まれた。爽やかな青空の下、沿道には地元のヒーローをひと目見ようという人々が詰めかけ、パレードコースは歓喜と熱気に包まれた。

 尊富士の出身地である金木町地区は、出発前セレモニーであいさつした伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士、つがる市出身)が「金木にこんなに人がいて、びっくり」と驚くほどのにぎわいとなった。五所川原市によると、同地区の観客数は約2万人。地区随一の名所である太宰治記念館「斜陽館」前には幾重もの人垣ができた。同館の塀には快挙をたたえる特大の横断幕が掲げられ、尊富士の車が通ると大きな歓声と拍手が沸き起こった。

 同市の山口丈晴さん(45)は「市中心部よりもすいているかと思って来たのだが…」と混雑ぶりに苦笑いしつつ、「パレードに感動した。来場所も頑張ってほしい」と語った。弘前市の金谷みゆきさん(38)は「かっこ良くて迫力があった。横綱になって、長く頑張ってほしい」とエール。千葉市から来た大谷肇さん(39)は「力強いし、優勝したという達成感が感じられる表情だった。来て良かった」と笑顔で話した。

 沿道には好角家として知られるエッセイスト能町みね子さんの姿も。プライベートで来たという能町さんは「地元での力士の優勝パレードというのはあまり見たことがなかったので、良い経験だった。1回の優勝で、ここまでになるのがすごい。『相撲ドリーム』というか、夢があるなと思った」と語った。

 五所川原市中心部でのパレードにも約3万5千人(同市発表)の観客が詰めかけた。手製の応援うちわを持って声援を送った同市の小向玲子さん(50)は「声をかけたら(尊富士が)こっちを見てくれた」と感激していた。

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