米3月求人件数848.8万件、約3年ぶり低水準 労働市場の緩和示唆

Lucia Mutikani

[ワシントン 1日 ロイター] - 米労働省が1日発表した3月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が32万5000件減の848万8000件と、2021年2月以来約3年ぶりの低水準となった。労働市場の状況が緩和しつつある兆候を示し、長期的に米連邦準備理事会(FRB)のインフレ対策を支援する可能性がある。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は868万6000件だった。

2月分は875万6000件から881万3000件に上方改定された。求人件数は22年3月に1200万件でピークを付けた。

FHNファイナンシャルの経済アナリスト、マーク・ストライバー氏は「労働市場の継続的な冷え込みは、インフレ率の2%回帰に向けたFRBの計画の一環であり、求人件数はFRBのバロメーターの一つになっている」と指摘。「23年に見られた緩やかな財のディスインフレが終わったと断言するのは時期尚早だが、財への価格上昇圧力はFRBにとって歓迎されない展開だ」と述べた。

3月の失業者1人当たりの求人件数は1.32件と、2月の1.36件から減少した。

3月の業種別の求人件数は、建設業で18万2000件減、金融・保険で15万8000件減となった。一方、教育を除く州・地方政府では6万8000件増加した。

求人率は5.1%。2月は5.3%だった。

採用件数は28万1000件減の550万件。貿易・運輸・公益事業で10万3000件減、レジャー・接客で5万1000件減となった。採用率は2月の3.7%から3.5%に低下した。

レイオフ・解雇件数は15万5000件減の152万6000件と、22年12月以来の低水準。減少件数は過去約1年間で最大となった。

自発的な離職件数は19万8000件減の332万9000件と、21年1月以降で最低を記録。貿易・運輸・公共事業やその他のサービス業で減少が目立った。

労働市場に対する信頼感の目安となる自発的な離職率は2.1%。2月の2.2%から低下し、20年8月以来の低水準となった。

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