那須・夫婦遺体焼損事件の実行役か 死体損壊疑いで20歳の男2人逮捕 県警などの合同捜査本部

2人の焼損遺体が見つかった遺棄現場。すぐそばに花が手向けられていた=4月23日、那須町伊王野

 栃木県那須町伊王野の河川敷で4月中旬に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、県警と警視庁の合同捜査本部は1日、死体損壊の疑いで住所、職業不詳、韓国籍の男(20)と住所、職業不詳の男(20)の両容疑者を逮捕した。2人は指名手配していた事件の実行役とみられ、逮捕者は4人となった。また2人に死体損壊の指示をした仲介役とされる容疑者の関係先から、1千万円近い現金が見つかったことも判明。捜査本部は報酬目的だった可能性もあるとみて捜査している。

 2人の逮捕容疑は、埼玉県越谷市、建設業の男(25)=死体損壊容疑で逮捕=らと共謀し4月16日未明から朝までの間、那須町伊王野の河川敷で、東京都千代田区、会社役員男性=当時(55)=と妻の会社役員女性=同(56)=の遺体に火を付け、焼損させた疑い。4容疑者と夫婦に面識はないという。

 捜査関係者によると、1日逮捕された両容疑者は栃木県に土地勘はなく、「人けのない所に向かった」などと供述しているという。

 日本国籍の職業不詳の男(20)は元俳優で、2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で、主人公の戦国武将黒田官兵衛の幼少期を演じたという。

 建設業の男は、指示役とみられる住所、職業不詳の男(28)=死体損壊容疑で逮捕=から「遺体の処理を頼まれた。それを2人に依頼した」などと供述している。

 また建設業の男が4月17日、都内の交番に出頭する直前に職業不詳の男(28)と数分間会っていたことも判明。「出頭前に携帯電話を渡した」と話しているという。

 一方、職業不詳の男(28)は「知らない人物から突然非通知で電話があり『処理』を頼まれた。会ったことはない」と供述。当初は誰かを脅す程度だと認識していたが、途中から夫婦の遺体の処理を頼まれたと理解したと話しているという。ただ、職業不詳の男(28)の供述には不審な点も多く、捜査本部は慎重に調べている。

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