岐阜県美濃市/地域防災拠点施設基本計画案、従来方式で整備・概算事業費28億円

岐阜県美濃市は1日、「美濃市地域防災拠点施設整備基本計画案」を公表した。老朽化した市運動公園内の体育館を、防災機能を付加した施設に再整備する。施設規模は2階建て延べ約4450平方メートルで、このうち8割以上を防災目的に活用する。概算事業費は約28億5000円(税抜き)。事業手法は従来方式とした。本年度から基本設計を行う。2028年度の供用開始を目指す。
1972年に開設した市運動公園(曽代166の1)は、災害時に人員や物資を受け入れ、被災地に物資を配分する地域内輸送拠点に位置付けられている。現体育館は老朽化し、必要とされる屋内空間や設備が不足しているため、解体跡地に地域防災拠点施設を整備。平時は多様なスポーツに対応し、災害時は支援物資の集配中継施設や災害対策本部の活動拠点、自衛隊などの滞在・宿泊場所として活用する。
1階のメインアリーナ(約1000平方メートル)は、物資運搬でフォークリフト(最大荷重2トン未満)を使用するため、これらの加重に耐える床面強度の構造・材料を採用する。物流用搬出入口として大型扉を設置し、大型車両が横付けできるスペースを確保する。サブアリーナ(約600平方メートル)は滞在・宿泊場所に活用。災害時にメインアリーナの利用動線と交錯しないよう配置する。2階には多目的室や会議室を配置し、災害対策本部スペースなどに充てる。
概算事業費の内訳は、設計費(造成、建築)が約1億円、建築工事費は約25億円、現体育館の解体費(設計、石綿除去工事など含む)が約5000万円など。
事業手法はPFI方式とDBO(設計・建設・運営)方式を従来方式と比較検討した。PFI方式は、整備費のコスト削減に一定の効果が見られたが、運営費用の削減効果が見込めず、採用するメリットが少なかった。DBO方式もメリットが見込めず、両方式とも発注手続きに時間がかかることから、従来方式で整備することにした。
事業スケジュールは、24~25年度で基本・実施設計を進めるとともに25年度に現体育館を解体する。26~27年度で土木工事と建築工事を進め、28年度に施設をオープンする予定。

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