暑熱順化とは?熱中症になりにくい体を作るトレーニング方法

半袖も活躍し始めるこの時期。小中学校では春の運動会の練習をし始めたり、アウトドアやハイキングなど外出をする機会が増えたり、熱中症が気になり始めますね。このコラムでは、熱中症対策に有効といわれる「暑熱順化」について、解説していきます!

急な暑さは危険!暑熱順化とは?読み方は?

「暑熱順化」という言葉、最近ではニュースや天気予報で見聞きする機会が増えてきました。「しょねつじゅんか」と読みます。
「暑熱順化」は暑い環境(=暑熱)に、体を慣らす(=順化する)ことです。

暑熱順化が必要な理由とは

これから本格的な暑さを前に、体を暑さに慣らす「暑熱順化」が大切になってきます。
冬は寒く、発汗する機会が少なくなりますが、夏に向かって気温が徐々に上昇し、体は暑さに慣れていきます。汗をかいて蒸発することによって、肌の表面の温度が下がり、体の内部の温度と脳の温度の上昇を食い止め、熱中症を防ぐことができるようになっていきます。

暑熱順化できていない場合は、汗の塩分濃度が高く、乾きにくい汗となりますが、暑熱順化ができている状態では、汗に含まれる塩分は少なくなり、熱を発散しやすく、汗が渇くことによって体温を下げることができます。汗が口に入った時に塩っぽいと感じるときは、暑さに慣れていない証拠です。暑さに慣れていないと、同じ暑さ指数(WBGT)でも熱中症リスクが高まることが知られています。

暑熱順化の期間の目安は?

暑熱順化は、有酸素運動などを毎日30分程度続ける場合、数日から2週間程度で完成すると言われています。
一般に熱中症の患者が増えるタイミングは、以下の4つが挙げられます。
① 5月の急に暑くなる日
② 梅雨の晴れ間
③ 梅雨明け
④ お盆明け

いずれのタイミングも暑熱順化が完成していない状態や、お盆明けで暑熱順化がリセットされるケースが想定されます。例年、梅雨明け後の熱中症による救急搬送者が多くなりますが、4つのタイミングは特に急激な気温上昇に注意が必要です。

トレーニング方法を解説!

暑熱順化として、具体的にどのようなトレーニングをしたら良いでしょうか?おすすめの方法を3つご紹介します。「暑くなる前に行なう」ことがポイントで、いずれのトレーニングも汗をかきますので、こまめな水分補給を心がけましょう!

① サウナや入浴

温度・湿度ともに高い部屋に入り、汗をかけるサウナがおすすめです。サウナでととのう方法はこちらのコラムでもご紹介しています!
毎日のサウナが難しい場合は、シャワーだけで済まさず、湯船に浸かりましょう。高めの温度であれば浸かる時間は短くても良いですが、ぬるめのお風呂は長めに浸かることを意識してみてください。

② 適度な運動

週5日ほど30分前後を目安にウォーキングを行ない、汗をかくことを意識し、運動してみましょう。最寄り駅の一駅前で降りて歩いてみたり、バスの移動を徒歩に変えてみたりするなど、簡単なことでもOKです。
歩くときの姿勢や続け方については、こちらのコラムでも紹介しています!

③ 筋トレやストレッチ

筋肉量が多いほど、体内の水分量を多く保つことができるため、筋トレやストレッチがおすすめです。こちらも30分ほど毎日行うと良いでしょう。
梅雨時期でもおすすめの筋トレについては、こちらのコラムを参考にしてみてください!

ここまで「暑熱順化」について解説してきました。この夏は、暑さを味方につけて乗り越えましょう!

<参考・画像引用>
・総務省消防庁「令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」
https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r5/heatstroke_nenpou_r5.pdf

・熱中症対策ガイドライン2020
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/gline/heatillness_guideline_full.pdf

・厚生労働省「職場における熱中症予防対策マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000636115.pdf

・厚生労働省「事業主、安全・衛生管理 担当者の方へ」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001098920.pdf

・北陸地方整備局「お盆休み明けは熱中症に厳重警戒!!」
https://www.hrr.mlit.go.jp/gijyutu/anzenhokuriku/pdf/233.pdf

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