J1初挑戦ながら旋風を巻き起こしているのが、FC町田ゼルビアだ。開幕5試合で4勝1分とスタートダッシュに成功。10節終了時点で、首位のセレッソ大阪と勝点19で並び、得失点差で2位につけている。
躍進するチームを攻守で支えているのが、左サイドバックの林幸多郎だ。明治大を卒業後の2023年に横浜FCでプロキャリアをスタートさせた林は、ルーキーイヤーから29試合・2得点の活躍。今季、町田に完全移籍した。
新天地では開幕からスタメンに定着。持ち前のハードワークを武器に、対人の強さを活かしたタイトな守備、左右両足で繰り出す正確なパスなどで存在感を発揮。ここまでフルタイム出場を果たしている。
そんな23歳に今回、インタビューを実施。新チームへの順応、今シーズンの自身のパフォーマンス、プレーで意識している点について訊いた。
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――町田への加入直後に、まず心がけた点を教えてください。
黒田剛監督やチームから求められていることを理解して表現するのを、キャンプの時からすごく意識してやりました。このチームでは球際やハードワーク、そういう“際”の部分をすごく大事にしています。そこは、僕は明治大でしっかりやってきましたし、去年在籍した横浜FCでも、そういう部分を強みにしてやってきたので、スムーズに入ることができたと思います。
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――チームには早く馴染めたようですね。
まずは、チームのことやここの常識を理解するのが大事だと思っていたので、既存の選手たちにいろいろと聞きました。また、スタッフの方たちが言っていることにしっかりと耳を傾けて理解するのを、強く意識しましたね。人の話に入っていくのは、あまり好きではないんですけど、人が言っていることを理解したり、何を求めているのかを考えながら動くのはすごく得意なので。そういったところは、上手くできたのではないかと思います。
――チームの雰囲気はどう感じられましたか?
選手もスタッフも多くて、一人ひとりがモチベーションが高く、雰囲気良くやれている印象でした。
――新加入で即スタメンに定着。ここまでフルタイム出場ですね。
求められていることを、ちゃんとできているというか、やろうとしているところは評価されたのではないかと思います。
――ご自身のパフォーマンスについてはどうですか?
ここまで試合に出させてもらってはいますけど、何一つ満足しているところはなくて、もっともっとできると思います。アシストやゴールという結果も、まだ出せていません。そういう部分にもこだわって、プラスアルファをどんどん出していきたいです。もちろん、やれることを精一杯やっていますけど、何か物足りないなと、常々感じていますね。
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――サイドバックとして守備で一番重視されている点を教えてください。
1対1で負けないことですかね。僕のところで抜かれれば、局面がガラッと変わりますし、サッカーにならないと思うので。また、このチームのカラー的に、守備がすごく重視されています。そこに対する責任やプレッシャーは、すごくあります。
――攻撃の際に意識されていることは?
このクラブにはすごく良いアタッカーがいるので、その選手たちをいかに上手く使うかが僕の仕事になってきます。同じサイドのサイドハーフと組む時は、一人ひとりのキャラクター、足が速いとか、ドリブルが上手いといった特性がある。それぞれに合わせたコンビネーションは意識しています。
――ポジショニングの良さも目を引きます。
僕のプレースタイル的に、良くも悪くもあまり目立ったプレーはしないので。周りの選手を上手く活かすような、潤滑油になるようなプレーをいつも意識しているのですけど。味方をよく見て、「どこにポジションを取ったら助かるだろう」というポジションを、常に取り続けるのは意識しています。ポジショニングは強みだと思っています。
――さて、次戦は3日の柏戦です。相手の印象は?
今年は特に守備の規律がすごくしっかりしていて、4-4-2でコンパクトに全員で守っている。そして、しっかりみんなでカウンターを仕掛けるサッカーのイメージがあります。そこをいかに崩すかが、肝になるのではないかと思います。
――入念な対策もされているかと思います。
単独よりもコンビネーションによる攻撃の方が多いイメージがあります。周りとの連係は、しっかり意識したいです。
――最後に、ファン・サポーターへのメッセージをお願いします。
ホームの試合で連敗中ですし、やっぱりホームで勝ちたいと思っているので、そこに対するみんなの熱量を、全員で表現したいです。個人的には最後まで「一人だけ走っているなあ」というのを見せられたらと思います。
毎回、たくさんのサポーターの方に来ていただいているので、選手みんなが感謝していますし、今回はホームゲームイベントとして「まちだ感謝祭」も行なわれます。勝利で恩返しして、サポーターの皆さんと喜びを分かち合いたいので、今回も皆さんに応援しに来てもらいたいです。
取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)