キッチンカー導入、手軽に 山形・大江車体特装、レンタル事業を来月開始

大江車体特装は6月から、キッチンカーのレンタルサービスを始める=山形市

 キッチンカー需要の高まりを受け、特殊装備車両製造の大江車体特装(山形市、大江晴久社長)は6月3日から、キッチンカーのレンタルサービスを始める。サブスクリプション(定額利用)レンタカー事業「CARiiCAR(カリッカー)」の第1弾で、初期費用の高さから購入に二の足を踏む人が多いため、安価に借りられる車両を用意した。

 キッチンカーは機器の運搬や準備、撤収の手間を省くことができ、購入を検討する飲食店が多い。手軽さもあって店舗型ではなく移動型の出店スタイルを選ぶ創業者もおり、一定のニーズがある。新型コロナ禍を経て、イベントへのキッチンカー出店が増えている。

 ただ、新車購入費は300万~800万円と高額で、導入を諦めるケースも多い。同社が事業者にヒアリングしたところ、レンタル需要は高かった。同社の調べでは、同種サービスは県内初という。

 車両は軽トラックベースと1.5トントラックベースの2種類があり、水道や水タンク、冷蔵庫といった設備も備える。

 レンタル希望者は食品衛生責任者資格を持つことが条件で、資格取得に向けたアドバイスも行う。衛生協会保険の紹介、保健所の完成検査への同行といったサービスも提供し、道路運送車両法と食品衛生法上の要件を満たした。

 レンタル期間は1、3、6、12カ月の4パターンで、期間が長いほど割安になる。延長も可能。価格は車両、車両保険、クリーニング費込みで月額9万円から。塗装以外のラッピング看板施工(費用別途)も受け付ける。車両の引き渡しと返却は同社で行い、利用者が清掃した上で返す。

 大江社長は「購入費の高さを軽減し、お試し出店も可能。イベントへの集客を促し、地域経済活性化を後押ししたい」と話す。問い合わせ、申し込みは同社023(641)4057。

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