不動裕理が大型マレットパター あの「スワンネック」はいずこへ?

不動裕理が1カ月前から愛用するベティナルディ「イノベイ9.0 プロト」(撮影/服部謙二郎)

◇国内女子メジャー◇ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ 事前(1日)◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース◇6665yd(パー72)

先週の国内女子レジェンズ(シニア)ツアー「太陽生命 元気・長生きカップ」最終日に「62」を出して優勝し、衝撃のシニアデビューを果たした不動裕理。今週はレギュラーツアーの今季メジャー初戦にエントリーし、火曜日は午後から18ホールを回るなど精力的に練習をこなしていた。

不動を見てあることに気づいた。なんと、大型マレットのパターを使っているではないか。しかもネックはクランクネック。不動といえば、ネックが白鳥の首のように曲がったスワンネックの印象が強い。優勝した50勝のうち、半分以上はスワンネックだったのではないだろうか。もう卒業したのか? と気になったので、ホールアウト後に本人に直撃した。

練習ラウンドを入念に(撮影/服部謙二郎)

「(スワンネックのパターは)今、探そうと思っても無いじゃないですか。もちろんいいスワンネックがあればそれが一番いいですが、別に入ったら何でもいいんです」と話し、3週前の「KKT杯バンテリンレディス」から使用するベティナルディ「イノベイ9.0 プロト」を見せてくれた。

かつて不動が使っていたスワンネック「ミズノプロRH0051」の倍近くあるヘッドサイズで、かつクランクネック。彼女がこの手のパターを使うとは驚きだが、自身も同じ感覚のようだ。「私も驚きですよ(笑)。森さん(堀琴音をコーチする森守洋氏)が『これ不動さんに絶対合いますよ』と持ってきてくれて。キッパリと言い切っていたので、それで私も背中を押されて。カリスマコーチがいいと言うなら」と目を細める。

練習ラウンドはたまたま横峯さくらと同伴(撮影/服部謙二郎)

しかし、投入したバンテリン初日は「全然入らなかったです」と「82」の大たたき。それでも「狙ったところに打てていたし、悪くないなという印象でした」という。予選落ちの試合後に不動好みのライ角に調整(5.5度アップライトにして75.5度)してもらい、レジェンズでも続投を決めた。「2日目はけっこう入ってくれました」と「62」のビッグスコアで優勝に貢献。「ヘッドは大きいんですが、今までのスワンネックの感覚と同じように打てるんです。すごく不思議な感じ」と話し、ヘッドを見ながらうれしそうに首をかしげた。

ベティナルディのツアーレップ(用具担当)に聞くと、ヘッド自体はソールがえぐれていて、後方がだいぶ軽くなっているため、かなり前重心の設計とのこと。大型の割には操作性があり、ロングパットの距離感も出しやすいという。不動も「打感が柔らかくて、出球の感じが好き。転がりもいいので気に入っています」と好感触で、だいぶ手になじんできているようだ。

「イノベイ9.0 プロト」は後方が軽く前重心(撮影/服部謙二郎)

もちろん、これで本決まりというわけではなく、もう1本別のスワンネックを持っている。テレビショッピングで購入したとマグレガー「ターニークラシック IM-GN」で、今後の投入も視野に入れているという。いずれにしても“パット巧者”の使うパターは、いつまでたっても注目だ。(茨城県つくばみらい市/服部謙二郎)

ホールアウト時に3人で楽しそうに談笑(撮影/服部謙二郎)

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