エフレイ初の国際連携、米国立機関と覚書へ 人材交流や共同研究

 福島国際研究教育機構(エフレイ)が米ワシントン州ハンフォードに立地するパシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)と協力関係を構築するため、覚書を締結することが1日、分かった。同研究所は再生可能エネルギーや環境など多岐にわたる研究を行っており、共同研究や研究者招致などを見込んでいるもようだ。海外機関との連携文書締結は初めてとなる。

 関係者によると、年内の締結を視野に調整を進めている。PNNLを巡っては、2023年夏に渡辺博道前復興相が訪問して幹部と意見交換したほか、同年10月にはエフレイの山崎光悦理事長が連携を直接働きかけた経緯がある。その後も協議を継続していたという。

 エフレイは23年4月の設立以来、国内の大学や自治体などと連携協定や基本合意を9件締結した。24年度の年次計画ではこうした協定について初めて「海外の機関も含め」と明記。山崎理事長ら幹部は3月の取材に対し、海外機関との人材交流や共同研究に強い意欲を示していた。

 ハンフォードは、放射能汚染エリアから全米有数の繁栄都市に発展した地域として知られる。PNNLは発展の中心的役割を担った連邦政府エネルギー省の研究機関。年間1900億円前後の潤沢な予算を持ち、化学や地球科学、データ科学、生物学など幅広い分野で豊富な研究実績がある。

 エフレイはロボットやエネルギー、原子力災害など重点5分野を掲げており、相互の強みを生かして研究開発を加速させる考えだ。

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