物大切にする心育み、あふれる笑顔 三沢・おもちゃ病院10周年

「ドクター」(左)が診察する様子を見守る親子連れ

 故障して動かなくなったおもちゃを修理する「みさわおもちゃ病院」が、青森県立三沢航空科学館に“開院”して10周年を迎えた。「おもちゃが生き返る」「みんなが笑顔になる」をコンセプトに市民ボランティアが「ドクター」として修理を担当。相談やおもちゃの持ち込みは、これまでに1800件を超える。物があふれ使い捨てされる時代にあって、子どもたちの物を大切にする心を養う場としても一役買っている。

 2014年4月に開設し、毎月第4日曜日に市民ボランティアが修理と相談に応じる。現在は13人がドクターとして登録。日本おもちゃ病院協会(東京)の養成講座を受講するなどボランティア自身も技術向上に努めている。おもちゃは原則として電池で動くラジコンやぬいぐるみなどで、家庭用ゲーム機は対象外だ。

 4月28日には同館で記念セレモニーが行われ、本年度に着任した名久井正廣院長は10年を振り返り「科学する心や物を大切にする心を育み、笑顔に包まれる場でありたい」と強調。

 お気に入りというアニメ「トイ・ストーリー」の手持ち扇風機の修理に来た三沢市立上久保小2年の平井柾成君(7)は、ドクターの診察の様子に興味深く見入り「早く直ってほしい」と話した。

 相談やおもちゃの状況を確認する「診察」は無料。部品交換が必要な「治療」の場合は数百円の部品代がかかり、修理に一定期間必要な「入院」は100円。

 問い合わせは青森県立三沢航空科学館=電話0176(50)7777=へ。

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