現役大学生が店主!天然鯛焼き専門店「鯛餡日和」が加美駅近くにオープン!

色とりどりの「野菜鯛焼き」や小麦アレルギー対応可能な「米粉鯛焼き」など、新しい鯛焼きの楽しみ方を提案する新感覚鯛焼き専門店「鯛餡日和」が、大阪市平野区「JR加美駅」徒歩5分ほどの住宅街にあるシェアキッチン「food stand MeEATS」に2023年12月7日にオープンしました!

店主・山本涼平さんの鯛焼き好きが高じて、理想の鯛焼きを自ら作るためにお店を立ち上げたんだそう。

そんな山本さんはなんと現役の大学生!しかも初期投資額10万円&準備期間1か月で開業したというから驚きです。

もしや勢いに任せた見切り発車の起業…?!と思いきや、シェアキッチンならではのメリットをフル活用して、低コスト・低リスクの経営を実現させているそう。

具体的にはどんなふうに切り盛りしているのでしょうか。

詳しいお話しを聞かせてもらいました。

「鯛餡日和」のロゴ

思い描いた「鯛焼き屋」を大学生になって実現

店主の山本涼平さん

―起業を考え始めたのは?

起業については、高校生の時から考えていました。

当時は実家のある群馬県に住んでいたのですが、遠くまで行かないと鯛焼き屋がなくて。

だったら自分で店を作って鯛焼きを食べられる場所を増やせばいいと考えたんです。

 

―相当な鯛焼き愛ですね!山本さんの心をこそまで動かす鯛焼きの魅力ってなんですか?

じつはあるマンガがきっかけです。

登場人物同士のつながりを深める場面でさりげなく鯛焼きが出てくるんですが、それがすごく印象深くて。

人と人をつなぐような役割で登場した鯛焼きに強く惹かれました。

―山本さんが鯛焼きを通じて創り出したいのは、“人と人をつなげるためのきっかけ” でもあるんですね、素敵です。

鯛焼きを焼くための技術を身につけるために、大手鯛焼き屋チェーンでのアルバイトにもチャレンジ

ー実際にお店を持つまでにどのようなことをされましたか?

まずは焼くための技術が必要だと思い、大手鯛焼きチェーン店でアルバイトをしました。

次に低コストでできる移動販売にチャレンジして、キッチンカーで大阪市内を中心に回りました。

キッチンンカーでも鯛焼きをいろいろな場に広めることはできますが、やはり自分の店がほしいと思い、店舗物件の無料マッチングサービスを活用して「food stand MeEATS」を紹介してもらいました。

シェアキッチン「food stand MeEATS」だからできた起業

『food stand MeEATS』の大きな魅力を語る山本さん

―「food stand MeEATS」で出店を決めた理由は?

「food stand MeEATS」は複数の店舗が集まるシェアキッチン形態なので、個店舗よりも資金的なハードルが低かったことが大きいです。

キッチンカーで販売していた時に鯛焼き器などを揃えていたこともありますが、開業資金は10万円程に抑えることができました。

 

―10万円で開業できたんですか?!

内装工事や設備購入にかかる費用がほぼなかったからです。

冷凍・冷蔵庫、コンロ、作業台などはすでに完備されているので、購入したのはレジ横のホットショーケース、調理器具、包材などの消耗品くらいです。

店のロゴデザインも「food stand MeEATS」のオーナー・有迫さんが無償で作成してくださったので、デザイン料や制作料が掛かりませんでした。

ブランドコンセプトや商品ラインアップの考案にも協力いただいたこともあって、準備期間一か月で開業にこぎつけました。

―シェアキッチンを活用することで、初期コストを大幅に削減できたんですね。

準備期間1カ月というのもすごい!

オーナーのサポートも心強いですね。

はい。ただ場所を提供するだけではなく、開業前・開業後のサポートが手厚いところが「food stand MeEATS」の大きな魅力です。

有迫さんには、今もいろいろと協力していただいています。

お店の収益化と廃棄ロス削減の両方にアプローチできる方法として、有迫さんからリメイク商品のアイデアをいただいたのも最近のことです。

ちょっと硬くなった鯛焼きをプレスして「魚拓焼き」として販売しています。

しっとり・パリッとしたぬれせんべいのような食感が楽しいアイテムです。

鯛焼きを開いて作る特製「魚拓焼き」はなんと170円!

―鯛焼きを半分に開いて焼くとかなり大きいせんべいになりますね。

これで170円はお買い得。

半分ずつ割って友達同士で食べたりするのにもよさそうです。

「鯛餡日和」が提供しているラインアップ!

・定番鯛焼き(小麦粉):十勝産あずき、カスタード、チョコ
・餅粉鯛焼き(餅粉):十勝産あずき
・野菜鯛焼き(餅粉):十勝産あずき
・鯛焼き最中(餅粉):十勝産あずき
・魚拓焼き

―小麦粉、米粉、餅粉といろいろな粉で皮を作っているんですね。

「たくさんの人においしい鯛焼きを食べてほしい」という僕の想いを形にするために、「小麦アレルギーの人でも食べられる鯛焼き、たとえば米粉や餅粉を皮に使ってはどうか」と有迫さんが提案してくれました。

「米粉鯛焼き」「餅粉鯛焼き」など選択肢を広げることで選ぶ楽しさも引き出せますし、他社との差別化も図れています。

彩り豊かな「野菜鯛焼き」はお土産にも人気

―差別化っていう点でいうと、カラフルな野菜鯛焼きも視覚的に違いがわかりやすくていいですね。

にんじん、紫いも、竹炭、かぼちゃ、ほうれんそうの5種類を揃えています。

野菜が苦手なお子さんでもおいしく食べられるよう、優しい味わいに仕上げています。

素材をそのままパウダー状にしたものを生地に練り込んでいるので、不足しがちな栄養を手軽に取るためのおやつとしてもおすすめです。

餡子が透けて見えるこだわりの薄焼き!

―薄皮ながらも“もちっ”とした食感がしっかりあって、なめらかでしっとりとしたあんことのバランスが絶妙!野菜の風味も優しいですね。

薄皮仕上げは「鯛餡日和」の譲れないこだわりの一つです。

一丁ずつ焼く「天然鯛焼き」じゃないとこの薄皮は作れません。

一度に複数丁焼く「養殖焼き」のほうが効率的なんですが、僕が求める「おいしい鯛焼き」はやはり薄皮じゃないとだめなんです。

 

ー鯛焼きにも「天然」と「養殖」があるのを初めて知りました(笑)。この薄皮は、こだわりの「焼き」なんですね。効率よりもこだわりを優先する、そういう姿勢がお客さんにとってはお店を好きになるポイントだったりすると思います。実際、お客さんの反応はどうですか?

立地が住宅街ということもあって、近隣に住む方にリピーターになってもらっています。

イートインスペースがあるので、お客さんとの継続的なコミュニケーションを図れるのも大きいです。

キッチンカーはお客さんとの一期一会を楽しむ、という感じでしたが今はお客様とのつながりを重ねていくことの楽しさがあります。

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