静岡県知事選争点は? どうする浜松の県営野球場? 開放型 ドームそれとも…

9日告示、26日投開票の静岡県知事選。陣営が支持獲得に向けて動きを加速させる中、浜松市に建設予定の新しい県営野球場が争点に浮上しています。

元副知事で自民党県連が推薦する大村慎一(おおむら・しんいち)氏(60)。1日、静岡市内で事務所開きを行いました。

「オール静岡」を強調する大村陣営。国会議員代表として挨拶したのは、自民党の議員ではなく、無所属の平山佐知子(ひらやま・さちこ)参議院議員でした。

平山佐知子議員:
「このオール静岡を達成できるのは大村さんしかいないじゃありませんか、皆さん、どうでしょうか」

鈴木氏支援を決めている県議会会派ふじのくに県民クラブの県議ら、自民党以外の県議や市議も会場に駆けつけ、
「自民党色」からの脱却を印象付けました。

自民党県連 城内会長:
「国政は『政治とカネ』で申し訳ない。しかし、大村慎一さんはこれまで政治家でしたか?全く関係ないでしょ。ただ一つだけ、これを付けてくれと言いました。我々こそが元祖オール静岡ではありませんか皆さん!。以上です、頑張りましょう!」

大村氏は、知事選の争点の一つと言われる浜松新野球場について、1日新たな考えを表明しました。

大村氏:
「ドームありきの議論というのは、これはストップすべきだと思います」

新たな県営野球場は必要としながらも、県が提示している屋外型とドーム型など3つの案のうち、事実上、“ドーム型”に否定的な見解を打ち出したのです。

大村氏:
「最初に考えるべきは、何に使うのか、何のために、誰のために野球場を作るのか。それから費用の問題もございます。今、試算370億円と言われていますが、資材が高騰してこの金額でできるかどうかわかりません。ゼロベースで再検証するということが必要だと思います。そのために、私は改めて丁寧に市民、県民の声を聞いていきたいと思います。いかがでしょうか」

「開放型のドーム球場建設」を訴えている鈴木氏との違いを明確に打ち出した形です。

大村氏:
「じゃあ三百何十億とか何百億かわかりませんが、そういう大きなものをバーンと作ったとしたら、それは後で、なんで?って話になる可能性もありますし、そこはやっぱり、しっかりと皆さんのご意見を聞いて進めていく、それが必要だと思います」

前浜松市長で、立憲民主党・国民民主党が推薦する鈴木康友(すずき・やすとも)氏(66)の姿は、静岡市にありました。

鈴木氏:
「本日は静岡ベンチャースタートアップ協会設立の記念イベントに、県の東部中部西部、そして東京からですね。首都圏からもご参加いただきました」

自らが理事長を務める、県内のベンチャーやスタートアップの起業を支援する社団法人の設立イベントです。

市長時代から起業支援に力を入れていた鈴木氏。知事選が決まる前からこの日に設定されていたということです。

鈴木氏:
「ちょうど今、微妙な時期に重なっておりまして。本当に私、今、その別の活動の中で、東部・中部はものすごくポテンシャルがあると。企業誘致やスタートアップ支援をがんがんやっていきますという話をしていたんですけども、ひょっとしたら私、別の立場になるかもしれませんけど。そうなれば、どんどん力強く、もっと力強く、県とこの協会が一体となって、スタートアップ先進県を目指して、全力を尽くしてまいりますので、ぜひ皆様もご期待をいただきたいと思っています」

イベント後、浜松の新野球場について記者に問われた鈴木氏は…。

鈴木氏:
Q午前中に大村さんが野球場について、ドームありきの議論はストップさせて、県が挙げている3案の再検証していくと、どうですか?

「それは大村さんの考え方だと思います。私は今までの流れの中で、ドームを中心としたいわゆるボールパーク。これは県・市・民間が一緒になって立ち上げていく、全体の事業としての中の球場の位置づけとしては、変わらずに訴えていきたい。どういうビジョンを持って、あのエリア一帯を開発をしていくかというところを、もう一度考える必要があると思う。ドームありきとかそうじゃない。この3パターンの中でどれか決めろみたいな、そういう乱暴な議論ではなくて、もう少し丁寧に議論を進めていく必要がある」

共産党公認の森大介(もり・だいすけ)氏(55)は、静岡市で労働組合組織・全労連のメーデーに参加しました。

森氏:
「私は知事になりましたら、最低賃金を大幅に引き上げる、このことに全力を尽くしたい。静岡県の西の隣の愛知県、静岡県が時給984円なのに対して、愛知は1,027円、東の神奈川は1,112円であります。年収に換算をいたしますと、それぞれ9万円、27万円もの格差が出てしまうわけであります。この改善を図ってまいります。」

大村氏が“ドームありきの議論反対”を打ち出した新浜松野球場については…。

森氏:
「一つは370億円という税金、巨費を投じて作る事業としてどうなのかという大きな問題と、その立地が津波の想定浸水域にあるということで、そういう点で問題だと思っていて見直すべきだ」

Qドーム型にするとかその辺りは?

「私自身、建設は反対ですので、そういうドーム型にするとか、多目的なものにするだとかということについてはコメントしようがない」

Q建設自体やめた方がいい?

「そうですね、見直すべきだと思います」

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