“NewJeansの母親”との葛藤が深刻化も…HYBEが今年第1四半期も「黒字」を維持できた理由

傘下レーベルADORとの葛藤が続くHYBEだが、今年第1四半期も上場後に続けてきた営業利益“黒字”を維持した。

HYBEは5月2日、2024年第1四半期に連結基準で3609億ウォン(約410億円)の売上高を記録したと明らかにした。これは前年同期比、約12%減少した数値だ。

まず、TWS、ILLITとのデビューが先輩アーティストの“休息期”の影響を相殺した。両グループのアルバムはそれぞれ50万枚以上の販売高を記録し、ハーフミリオンセラーとなっている。

HYBEは今年第1四半期、新譜のリリースは少なかったが、着実な売上が見込める音源のおかげで安定した実績を出せる踏み台を用意した。おかげで、第1四半期のHYBEのアルバムの売り上げのうち、音源の割合は約50%まで上昇した。

(写真=ADOR)NewJeans

また、公演、広告・出演といった直接参加型の売上高は2170億ウォン(約250億円)となる、同期の売上の約60%を占めた。そのなかで大きく貢献したのは、SEVENTEEN、ENHYPEN、&TEAMの公演だ。

BTSメンバーの兵役終了も間近

続いて、MD(マーチャンダイジング)やライセンス、コンテンツ、ファンクラブなどの間接参加型の売上高は1439億ウォン(約160億円)で、約40%の割合に。HYBEとCJ ENM傘下の製作会社エッグ・イズ・カミングが共同投資した『NANA TOUR with SEVENTEEN』とSEVENTEEN、TOMORROW X TOGETHERのツアーMDが寄与した。

そして第1四半期の連結基準の営業利益は、既存アーティストの活動空白と新人グループのデビュー初期費用の影響で、前年同期比73%減少した144億ウォン(約16億円)となった。それでも、既存アーティストの活動が少ない状況でも黒字を維持できたのは、利益基礎体力が改善されたため可能だったと言える。

(写真提供=BELIFT LAB)ILLIT

HYBEは今後、第2四半期から多くのアーティストたちが再開し、ワールドツアーが本格化することによって、売上と営業利益の両方が改善されるものと予想している。4月にはSEVENTEENとTOMORROW X TOGETHER、BOYNEXTDOORがカムバックし、ENHYPEN、NewJeansもカムバックを控えている。そして本命のBTS メンバーは6月中旬に徐々に兵役が終了する。

既存アーティストのカムバックと新規アーティストのデビューで、今年の新譜は前年比30%以上増加する見通しだ。それに伴い、ファンとの接点も拡大される。昨年は8グループが128回のコンサートとファンミーティングを行ったが、今年は10グループが約160回のツアーとファンミーティングを計画している。

HYBEはK-POPのグローバル大衆性の強化にも、より本格的に乗り出す方針だ。既存のマルチレーベルシステムに加え、今年から現地文化や特性を反映したIP開発を強化する「マルチホーム・マルチジャンル」戦略を推進。日本、アメリカ、ラテンを中心に、現地文化と特性を反映したIPを開発し、現地での主導的事業者の地位を確保。まだK-POPに馴染みのないファンを取り込む。

(記事提供=OSEN)

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