元ラグビー日本代表矢富勇毅が今季限りで現役引退 “不撓不屈”の精神で2度の前十字靭帯断裂克服し公式戦150試合出場【速報】

ラグビー元日本代表でリーグワン、静岡ブルーレヴズのスクラムハーフ・矢富勇毅選手が今シーズン限りで現役を引退すると5月2日、発表しました。

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矢富選手は京都府出身の39歳。京都成章高校から早稲田大学に進むと清宮克幸監督のもと、従来のスクラムハーフ像を打ち破る切れ味鋭いステップを武器とする「9番」として頭角を現し、日本代表入りを経験。大学選手権2度優勝など、五郎丸歩さん(現静岡ブルーレヴズCRO)らとともに、ワセダの黄金時代を築きました。

2007年にヤマハ発動機に入社すると、その年のフランスワールドカップに出場。その後、2011年に右ひざ、翌年に左ひざの前十字じん帯を断裂する2度の大けがに見舞われましたが、“不撓不屈”の言葉を胸に、長いリハビリ生活を乗り越え、2015年には、ヤマハ発動機ジュビロの日本選手権初優勝に貢献。さらに、サンウルブスのメンバーとして、自身の目標のひとつであったスーパーラグビー出場も果たしました。

プロクラブ化した静岡ブルーレヴズでも主力として活躍し、2021年には、プレイングアドバイザーに就任。17年目となった今シーズン、三重ホンダヒート戦でクラブ3人目となる公式戦通算150試合出場を果たしました。

京都成章時代からのライバルだったSH田中史朗選手(NECグリーンロケッツ東葛)も4月に今季限りでの引退を発表。ヤマハ発時代、相次ぐ大けがに、恩師・清宮監督から「これまでは自分にしかできない、強みを生かした『THE矢富』というスクラムハーフを演じようとしてきたが、それをしているがゆえに2回も同じけがをしている。そろそろプレースタイルをチェンジする必要がある。新しい矢富を作っていけば、35,36歳まで現役で行ける」とアドバイスを受け、進化を続けてきた日本を代表する名スクラムハーフが39歳で、スパイクを脱ぎます。

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