映像リレーで行方特定 那須遺体焼損「実行役」逮捕 仲介役「本名知らぬ」

2人の焼損遺体が見つかった遺棄現場。すぐそばに花が手向けられていた=4月23日、那須町伊王野

 栃木県那須町伊王野の河川敷で夫婦の焼損遺体が見つかった事件は1日、死体損壊容疑で新たに2人の男が逮捕され、逮捕者は計4人になった。都内の交番に出頭した埼玉県越谷市、建設業の男(25)を除く3人はそれぞれ沖縄、神奈川、千葉県内で発見。捜査本部は防犯カメラの映像を追跡する「リレー捜査」で足取りを特定した。一方、事件の仲介役とみられる建設業の男と実行役とされる2人はあだ名で呼び合い、本名を知らない間柄だったという。

 事件で大きな動きがあったのは4月28日。指示役とされる住所、職業不詳の男(28)=死体損壊容疑で逮捕=の身柄を沖縄県の那覇空港で確保した。沖縄にいることを突き止めたのは防犯カメラ映像の捜査だった。

 捜査本部は死体損壊の実行役とされる2人組を住所、職業不詳、韓国籍の男(20)と住所、職業不詳の男(20)の両容疑者と特定。同27日に指示役とされる容疑者の男を含む3人の逮捕状を取り、それぞれ指名手配した。

 韓国籍の男は同30日、知人3人と神奈川県大和市内のホテルにいるのを捜査員が発見し、1日に逮捕した。日本国籍の職業不詳の男(20)は千葉市内の知人宅で身柄を確保し、同日逮捕した。

 4人の容疑者はどのような関係性だったのか。

 「本名は知らない」。建設業の男は調べに対し、韓国籍の男、日本国籍の職業不詳の男との関係性をこう説明したという。「昨年の年末から年明けにかけて知り合って何度か酒を飲んだ」などと供述。指示役とされる容疑者の男は「(建設業の男と)2~3月に渋谷で知り合った」と話しているという。

 知り合ってから日が浅かったとみられる4人。捜査本部は他にも事件に関与した人物がいるとみて、動機や経緯などを調べている。

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