消防士ってどれくらい階級があるのでしょうか?消防士の平均収入についても教えてください!

消防士の階級は10種類

消防組織法の規定に基づいて昭和37年に告示された「消防吏員(しょうぼうりいん)の階級の基準」の第1条によると、消防吏員の階級は次のように記載されています。消防吏員とは消防士の正式名称であり、消防士は消防吏員の階級です。

__消防総監消防組織表代27条第2項の特別区(東京消防庁)の消防長
消防司監指定都市または人口70万人以上の市町村の消防長
消防正監消防吏員200人以上または人口30万人以上の市町村の消防長
消防監消防吏員100人以上または人口10万人以上の市町村の消防長
消防司令長消防吏員100人未満かつ人口10万人未満の市町村の消防長
消防指令
消防司令補
消防士長
消防士__

ただし、同第4条によると市町村によってとくに必要があると認める場合は消防士の階級から消防副士長を置くことができるとされており、実際には消防士長以下に消防副士長を置く10種類の階級制度が用いられています。

市町村ごとに消防司令長以上の階級から消防長が置かれ、一定の条件を満たすと市町村本部に置かれる消防長の役職が上がる仕組みです。なかでも最高位である消防総監の階級を用いられるのは東京消防庁の消防長のみと定められています。災害現場の最前線で活動するのは消防司令補以下で、消防指令以上は全体の指揮が主です。

消防士の収入は平均640万円ほど

消防士は地方公務員です。地方公務員の給与体系は法令により定められていますが、消防士を含む消防にかかわる職員の給与体系は特別に定められています。前項より市区町村ごとに置かれている消防士の階級には幅があるものの、東京消防庁が職員募集として公開しているデータによると消防士の初任給は次のとおりです。

__専門系:約27万6200円
1類:約26万9500円
3類:約23万2000円__

ちなみに総務省発表の地方公務員給与実態調査(令和2年4月1日)によると、消防士を含む消防職員の平均給与は月額30万514円、平均諸手当が月額9万3496円となっています。月収を約40万円とし、2022年の地方公務員の年間ボーナス平均額約161万円を加えると、消防士の年収は約640万円です。

ただし、消防士の給与は階級によって大きく変動します。階級上の最下位である消防士と消防監以上とでは報酬が大きく変わり、階級が上がれば年収1000万円を超えることも珍しくありません。

消防職員=消防吏員+その他の職員

消防士とは階級の名称であり、正しくは消防吏員です。消防にかかわる職業を消防職員とよび、消防吏員に加えて消防事務に携わる地方公務員なども含まれています。言葉どおりの消防士は階級上最下位であるため給与基準は最低ランクですが、一般的な平均年収と比較して大きな差がないどころか、階級が上がれば年収600万円はおろか年収1000万円も目指せる職業です。

出典

総務省消防庁 告示 消防吏員の階級の基準(昭和37年消防庁告示6)
総務省消防庁 日本の消防組織の概要等
総務省消防庁 令和3年版 消防白書
総務省 地方公務員給与の実態 第4表 初任給
東京消防庁 職員募集

参照

転職Hacks 最新!ボーナスの平均と実態|月給何カ月分?民間企業・公務員
アガルートアカデミー 消防士の給与・年収はいくら?警察官との差は?年収を階級別に比較

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社