深圳市の「学生幸福度指数」を日本の教育専門家が積極評価

深圳市の「学生幸福度指数」を日本の教育専門家が積極評価

4月25日、深圳市福田区で開かれたシンポジウム。(深圳=新華社配信)

  【新華社深圳5月2日】中国広東省の深圳市福田区教育局はこのほど、区内小中学生の「学生幸福度指数」を発表した。福田区基礎教育質量監測センターが113校の児童・生徒と保護者、教員の一部を対象に評価を行った。

 研究の結果、学習意欲や運動、課外活動、学業のプレッシャー、スマホ依存、人間関係などを調整することで、幸福度を向上できることが明らかになった。幸福度を通じて教育環境の最適化と発展を図る深圳のアプローチは国際的な教育の専門家から高く評価されている。

 経済協力開発機構(OECD)の生徒の学習到達度調査(PISA)プロジェクトの上級分析官、池田京氏は取材に対し、「従来型の教育は生徒の総合的な学力を重視するが、読解力や数学、科学などで良い成績を収めてもそれは能力の一部に過ぎない。複数の国の教育者が生徒の総合的な幸福度を重視するようになった。福田区教育局の指数発表は、教育の質を向上させ、心身ともに健康で幸福に満ちた生徒を育成し、幸福度の高い教育環境を作る上でプラスの効果が期待できる」と述べた。

 幸福度指数は、3段階の指標を評価基準とする教育評価体系が用いられた。第1段階の指標は全体的な生活の質、自身の幸福度、学校に対する幸福度、学校外に対する幸福度の4項目。第2段階は生活評価、精神的幸福、健康、教育・スキル、心理機能、交友関係、学業などを含む9項目で、さらに24項目の測定指標が連なる。

 池田氏は評価体系の妥当性を肯定的に捉えた上で、グローバルな視点から生徒の幸福度の国際的な評価を説明。2022年の国際的なPISAプロジェクトの評価データに基づき、81カ国(経済圏)の教育成果を分析するとともに、各国が教育の公平性と幸福度を向上させるために評価データを効果的に活用する方法を紹介し、未来の教育の発展方向について、前向きな見解を系統的に示した。

 より多くの国と地域が幸福度の高い教育を作り出し、生徒の幸福度を向上させ、心身の健康、精神的なニーズにより注意を払い、趣味や個性を尊重することで、生徒一人一人を思いやりとサポートの中で成長させ、科学技術が社会にもたらすチャンスや課題に落ち着いて対応できる総合的な発展能力を持つ人材に育成していくことを提案した。(記者/白瑜、李思佳)

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