Switch 2、ドック設置時はPS4 Pro並の性能に? 携帯モードでは超低クロックか

Image:Miguel Lagoa/Shutterstock.com

Nintendo Switch後継モデル、通称「スイッチ2」の性能に関する予想は、大きな振れ幅がある。それは現行スイッチと同じく据え置き機とモバイルゲーム機のハイブリッドとなり、「ドックに設置した状態」と「電源に繋がない状態」の2つがあると見られるためだろう。

これにつきゲーム業界の情報筋が、スイッチ2はドック設置時には予想以上に高クロック動作となるが、携帯モードではバッテリー持続時間を優先して「(クロック数が)クレイジーなほど低い」可能性があると述べている。

主にAMDや未発表ゲームハードを扱うYouTubeチャンネル「Moore’s Law is Dead」の最新番組では、NVIDIAの匿名関係者の言葉を引用。NVIDIAは、初代スイッチのTegra X1に続き、スイッチ2に「T239」チップを供給すると噂されている。

それによるとNVIDIAは、スイッチ2がドック設置時に4TFLOPS(GPUの浮動小数点演算性能)を達成することを望んでいるという。そのため、予想よりも遙かに高いクロックになるとされている。

現世代ハードでは、初代スイッチが0.5TFLOPS、PS5が10.3TFLOPS、Xbox Series Xが12TFLOPS、Series Sが4TFLOPS。一世代前のPS4が1.84TFLOPSで、Xbox Oneが1.24TFLOPSといったところ。予想値の4TFLOPSは、PS4 Pro(4.2TFLOPS)に近い。

逆に携帯モードでは、「クレイジーなほど低クロック」、おそらく800MHz以下になると聞いているという。現行スイッチはCPUクロック数が携帯/ドック設置時ともに1020Mhzであり(ドック設置時はGPUがクロックアップ)後継モデルの方が遅いことになる。

今回の番組では、低クロックのメリットは、バッテリー持ちが良くなることと、消費電力が低下して熱やファンの騒音が小さくなることだと強調している。

任天堂は初代スイッチを子ども向けに設計しており、たとえば背面スタンドは外しても元に戻しやすく、ゲームのカートリッジも子どもが噛まないように苦味が付けられている。スイッチ2の発熱が低くなれば、冷却の必要も薄くなり、不注意で換気口を塞いでも過熱や火傷の危険も少ないだろう。

また番組では、スイッチ2のゲームにどの程度レイトレーシングが普及するかも議論している。手短にまとめれば、任天堂とサードパーティの目指す方向性は違うということだ。

まず任天堂のファーストパーティタイトルは、同社が許容可能なパフォーマンスで最高のビジュアルを実現するために最適化に力を注いできたことを考慮すると、ほとんどにレイトレーシング技術を使うだろう。

それに対してサードパーティーの開発者は、より良いビジュアル品質とパフォーマンスを追求するため、レイトレーシングよりもDLSS超解像技術を使うとの予想である。

中国のアクセサリーメーカーMobapadは、スイッチ2を「保守的なハードウェアの進化」と表現していた。初代スイッチの大成功と豊富なゲームライブラリや、熱容量に限りある(子ども向けの安全な玩具という縛りもある)携帯ゲーム機のフォームファクタも引き継ぐためにも、飛躍的な性能の向上は難しいはず。様々な意味で「スイッチPro」的な製品となりそうだ。

© 株式会社 音元出版