中国電力の電気料金メニューの記載が「景品表示法違反」 電気料金の一部を返金へ 返金規模は最大26万件で10億円

中国電力は4月30日、ホームページなどの電気料金メニューに関する記載について、誤解を与えかねない表示を行っていたとして、契約者に電気料金の一部を返金することを明らかにしました。返金対象は最大で26万件、返金額は最大10億円となる見通しです。

中国電力は、2022年4月1日から2023年1月12日までの間、スマートコース・シンプルコースの料金が実際には従量電灯Aよりも高くなる場合があったにも関わらず、燃料費調整額を含まない料金で比較していたため、スマートコースやシンプルコースの方が安価であるかのように表示していました。

(参考)スマートコース「従量電灯Aよりも、1年間で約1,200円おトクになる」と表示。

シンプルコース「従量電灯Aよりも、月平均使用電力量が600kWhの場合では、1年間で約10,000円おトクになる」と表示。

こうした記載が、「不当景品類及び不当表示防止法」に違反している疑いがあるとして、消費者庁の委託を受けた公正取引委員会から調査を受け、2023年8月、景品表示法第5条第2号に該当する不当な表示(有利誤認表示)にあたるとして、消費者庁から措置命令を受けました。

こうしたことを受け4月30日の会見で、2022年4月1日から2023年1月12日まで間にホームページ等を見て契約した客に、電気料金の一部を返金すると発表しました。

返金対象は最大で26万件、返金額は最大10億円となる見通しです。

中国電力 中川賢剛 社長
「本件は、現在も消費者庁の調査が続いていますが、信頼回復に向けた取り組みを進める中、当社として、対象期間中に、これらの表示を見て、ご加入されたお客様へ返金を行うことが望ましいと判断し、本日、お客様の対象範囲やご返金の手続き方法などを先行してお知らせすることにいたしました。

改めて、お客様をはじめ、関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げるとともに、今後速やかに対象のお客様への返金に関わる手続きを進めてまいります」

中国電力は、社外取締役を除く取締役全員、販売事業本部長の役員報酬の10%相当を1か月分返上したということです。

また、中国電力は、対象となったホームページ等の記載を速やかに修正したほか、景品表示法を含む法令の遵守に関する社内規程の制定や見直しなど、再発防止に向けた取り組みを実施しました。

今後も、景品表示法に関する研修の充実など、再発防止に向けた取り組みを実施し、同様の事案を発生させることのないよう努めるとしています。

【返金内容について】※中国電力HPより

1)ご返金の対象となるお客さま以下の条件を全て満たすお客さまを対象に、ご契約開始日から2023年1月12日まで(※)の間(以下「ご返金額算定期間」といいます)に発生した電気料金の一部を口座振り込みでご返金します。

※2023年1月12日以前に対象料金メニュ―の契約を終了された方は、終了日までの期間とします。

ご契約の開始日が2022年4月1日以降であること。料金メニューがスマートコースまたはシンプルコースであること。

2)ご返金のお申込み方法対象のお客さま宛に順次お申込み方法・ご返金額に関するご案内のはがきをお送りします。はがき(※)のご案内に沿って2024年10月31日17:00までに専用ウェブサイトよりお申し込みください。

※前項のご返金の対象となるお客さまにおいて、既に引っ越し等により当社とのご契約が継続していない場合は、ご案内のはがきは届きませんのでご留意ください。はがきが届かない場合のお手続きの方法につきましては、こちらをご確認ください。

3)ご返金額の算定方法ご返金額算定期間における、お客さまの使用電力量の実績にもとづき、当時ご契約いただいていました料金メニューと従量電灯Aにより各月ごとに算定した電気料金合計額の差によりご返金額を算定しています。

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