家族4人、都内に住んでいますが住民税が高いです。住民税の安い地方へ引っ越すことは節約になりますか?

都内の住民税と地方の住民税

都内と地方の主な地域の住民税を比較することで、都内と地方の差を把握できます。各地域の住民税を把握することは、移住先を決める際の参考にもなるでしょう。

また、住民税の計算方法についても事前に理解しておくことが重要です。

本項では、住民税の計算方法や、都内と地方の主な地域の住民税について詳しく見ていきましょう。

住民税の計算方法

住民税は、所得割と均等割で構成されます。

__・所得割:前年の所得額に応じて課税される

・均等割:一定以上の所得がある場合に広く均等に課税される__

所得割は、課税所得額に税率を掛けて算出されます。

例えば、横浜市の場合、所得割の税率は10%(市民税8%、道府県民税2%)となっており、均等割は6200円(市民税4400円、県民税1800円)です。

※神奈川県では、水源環境保全税として所得割の税率に0.025%、均等割に300円上乗せされます。

また、令和6年度からは、1人あたり年間で1000円の森林環境税(国税)がかかります。

都内の主な地域の住民税

都内の主な地域の住民税(所得割・均等割)は、図表1のとおりです。

【図表1】

※各自治体の公式サイトをもとに筆者が作成

※1人あたり年間で1000円の森林環境税(国税)がかかります。

図表1のとおり、都内では所得割と均等割に違いはありません。都内に住んでいる場合、所得割が10%で均等割が4000円かかります。

地方の住民税

地方の主な地域の住民税(所得割・均等割)は、図表2のとおりです。

【図表2】

※各自治体の公式サイトをもとに筆者が作成

※1人あたり年間で1000円の森林環境税(国税)がかかります。

図表2のとおり、住民税は地域によって異なります。均等割は多くの地域で4000円ですが、一部の地域では4000〜5000円程度に設定されています。そのため、地方に移れば住民税を節約できるというわけではありません。

住民税に関する注意点

住民税に関する主な注意点は、以下のとおりです。

__・所得割は所得額で変わる

・1月1日時点に住んでいる自治体に納付する__

住民税は所得割と均等割で構成されており、均等割は自治体で定められた金額が一律に課税されます。ただし、税額の差はそれほど大きくはありません。一方、所得割は「課税所得額×10%」で計算されるため、通常、所得が多い人ほど税額が高くなります。

また、住民税は1月1日時点の住所地の自治体で課税されるので、引っ越しや移住を検討している場合は注意が必要です。

住民税は自治体によって異なる。ただし、大きな節約にはならないこともあるので慎重な検討が必要

住民税は自治体によって異なる場合があります。例えば、東京都豊島区の均等割は4000円ですが、広島市の均等割は4500円です。しかし、年間で500円の違いであり、それほど大きな差ではありません。

所得割については、「課税所得額×10%」なので、基本的に地域による差はなく、前年の所得が多いほど所得割の税額も増える傾向があります。

都内と地方で住民税の地域差はそれほど大きくないため、住民税だけを理由に引っ越しを検討する際には慎重に考える必要があるでしょう。

出典

総務省 個人住民税

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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